【言葉のいらない瞬間】 (ページ33)

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*030 長野side ページ33

坂本くんを久しぶりに家にあげた。彼が岡田のかよう六戦高校に勤めていたことは2年前、ちょうど彼が教員試験を合格した年だったかな？
道端で偶然出会ったときに知った
その後も何となく連絡はとってたけど…

本当に変わらないなぁ～坂本くん

長野「どうぞ、上がって、紅茶でいい？あ、てきとうに座っててよ」

坂本くんをテーブルに促し僕は台所へ向かった
すると岡田が坂本くんに僕らの出会いを聞いているみたいだった

何だよ、坂本くん(笑)

坂本くんからの視線を感じた、どうやら言っていいのか戸惑っているらしい
僕は紅茶を注いでリビングに向かった

坂本「…て金とったりな…やりたい放題だったんだ。そして、6月17日俺は長野に会ったんだ」

僕はテーブルに紅茶をおいて坂本くんを見た

長野「日付まで覚えてたんだ(笑)凄いね」

坂本くんはあのときのことを思い出したらしく少し気まずそうに紅茶を口に含んだ

坂本「お前みたいなやつ初めてだったんだよ。普通はさっさと金出すだろ」
岡田「え、お金」

あ、そろそろ仕事の時間だ、坂本くんいるし、岡田のご飯お願いしようかな
岡田は俺に気をつかって全然甘えてこないから、、きっと坂本くん相手なら岡田も少しは甘えてくれるだろう。なんてったって“まあくん”だもんね

岡田を見るとびっくりしたまま頭の上に「？」を浮かべていた

長野「あのね、この人に恐喝されたの俺(笑)あ、それよりさ、坂本くん、ご飯つくってよね」

坂本くんは少し怪訝な顔をした。岡田は…ポカンとしてる(笑)

坂本「ﾊｧ？客人にやらせるかよ、普通」
長野「いいから、いいから、だって坂本くんの料理美味しいんだもん、それに俺これから仕事あるから岡田の分よろしくね？そしたらてきとうに帰って良いよ」

僕はそのまま坂本くんの背中を押して台所に突っ込んだ
岡田はテーブルから立ち上がり、こっちに向き直った

岡田「え、料理なら自分でやるよ、いいよまあくん気にしないで」
坂本「ﾊｧ-))つくんのはいいけどさ、お前これから仕事ってどういうことだよ」

やっぱり岡田は直ぐには受け入れてくれない、気を使わなくていいのに
ん、もー坂本くんうるさい。

長野「岡田？坂本くん本当に料理上手いから、本当食べてって!!じゃそういうことだから」

坂本くんは何か言いたそうだ、この際どうでもいい
岡田のこと頼んだよ