【言葉のいらない瞬間】 (ページ31)

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*028 岡田side ページ31

抱き締められたまま、僕は眠ってしまった
次に起きたのが１時間ちょっとしてから

岡田「ﾊｯ!))ちこくだ！やばい！！」

慌てて跳ね起きてリビングに出たら朝食を作るまあくんの姿があった
リビングはもうすっかり片付いていた

まあくんはこっちに顔を向けるととっても優しい表情だった

坂本「お？起きたか、まだ寝ててもいいのに、どうせ、今日行ったってしょうがねぇだろ、休みの連絡入れておいたぞ、ああ、あと長野も少し熱があったから休ませねぇとなでもあいつのケータイどこにあるかわかんねぇ(笑)岡田知ってるか？」

僕は首を左右にふった
今日学校休ませてくれるんだ…
健くん剛くん心配するかな

坂本君の方を覗き込むと魚の煮物が出来上がった

坂本「パンとかの方がよかったか？」

僕は頭をブンブン横にふって答えた

岡田「まあくんは？学校…」
坂本「ああ、俺も休んだ。どうせ、今日は集会で家庭科の授業は潰れてなかったから大丈夫だろ、それにいた方がいんだろ？」
岡田「え？」

自然と耳から顔までが真っ赤になった

岡田「あ、あの昨日は取り乱したりしてごめんなさい」
坂本「何いってんだよ、俺は岡田に感謝してるぜ、ずっと長野を見ててくれたんだろ」
岡田「違うよ、見てることしかできなかったんだ」
坂本「それでも、いいんだ。長野は一人じゃない…もちろんお前もな、見られることって結構大事だぞ、例え」

ーｶﾞﾁｬ

長野「おはよう、岡田、ごめん、寝坊した…今からつくっえ？坂本くん何でいるの？」

やっぱりひろし覚えてないんだ

坂本「お前なぁ！！さんざ」
岡田「ひろし、今日学校休む、えっと、お腹いたくてな…でまあくんに来てもらったんや」

慌ててまあくんの言葉遮ったけど…絶対ひろしは誤魔化せない
ひろしはふわりと笑って答えた

長野「へぇ～岡田はお腹いたいときにこの量を食べるんだね……嘘はダメでしょ？」
坂本「あ、えっと」
長野「でも、いいよ。なんか疲れた顔してるし、坂本くんも休んじゃったんでしょ？…それに原因は俺みたいだし、で(俺なにしたの？)」

ひろしは頭の傷を擦りながら口パクでまあくんに向かって「で、俺なにしたの？」っていったように見えた。
ひろしはとても寂しそうな目でいった。

その場が凍りついた。でもその場を溶かしたのもひろしだった。

長野「坂本くん、10時から仕事だからお昼、岡田とよろしくね」