【言葉のいらない瞬間】 (ページ24)

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*021 坂本side ページ24

―ｶﾞﾁｬﾝ

長野は家を出た

坂本「岡田、長野って仕事夜なのか」

気づくと今は20:01だった。

岡田「ううん、いつもは朝早くから行ってるよ。レストランの厨房で働いてるんだ。今日は店自体は休みで、でも新メニューの会議があるからって今から始めるんだ。会議と言っても特殊で色々なお店に行ってお酒飲んでハシゴしてそしてから本格的な会議をするんだ」
坂本「それってちゃんと会議になるのか？」
岡田「んー。一応今日はﾌﾟﾁ会議で材料集めとしてお店を回って最後のお店で話し合って、また翌日ちゃんとしたのが行われるんだ。前なんかひろし朝の四時頃帰ってきて」
坂本「ひぃーめんどくせぇアイツも慣れたもんだなあ、打ち上げにも修学旅行にも行かなかったやつが」

岡田は下を向いて黙り込んでしまった。

そういえば、23くらいん時たまたま長野にあったら酒飲めないって言ってたよな…それで大丈夫なのか？
あと大勢のいるところは慣れたのか？あいつ。

でも岡田の様子を見る限り慣れては無さそうだよな
頑張れ、長野あんま無茶すんなよ

俺は心のなかで長野を応援した
意識をここを去っていった長野に向けていると
よそよそしく唐突に岡田が話してきた

岡田「まあくん。今日泊まってくれない？」

岡田の方に意識を向けて顔を会わせると、岡田は上目遣いになって聞いてきていた。
その目はどこかで何かを願っているかのように揺れていて、ものすごい不安に押し潰されそうなまでに追い詰められた顔つきだった

長野のことを心配してなのかと思ったが別の不安か？

恐怖？恐怖を感じているのか？岡田

坂本「…どうした？」

俺が呟き様にそう尋ねると岡田は思い詰めた顔で何か思い出しているのか目に定まりはなくこのまま放っておくと戻って来ないような気がした

岡田「まあくん泊まってってよ」

上の空の岡田は棒読みで誰に言っているのかわからなかった

何だこの不安定感は、怖い

坂本「岡田？」

岡田に伸ばした手が長野が入れた紅茶にぶつかり倒れた。中の液体はそのままテーブルを伝い岡田にもかかった

坂本「あ、やべぇ！悪ぃ!!」

ようやく事態に気づいたのか岡田は即座に片付け始めた
何事もなかったかのように

岡田「ああ!!ええよ、ええよ、まあくん気にしないで俺やるからごめんね、それよりさあ、、、まあくん、ご飯まだなん」