【言葉のいらない瞬間】 (ページ19)

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*016 井ノ原side ページ19

三宅「わかってるよ、そんなこと、でも今回のは何か、何か物凄く引っ掛かるものを感じたんだよ！大切なものを。今のがしたら二度と…二度と…。絶対、絶対に後悔する、俺はそんなの嫌だ！」

森田「健。」

急に取り乱した健に俺は慌てた。

取り乱した健に慌てながらも心の奥にいる冷静な自分はそんな健の気持ちを痛いほどわかっていた。

俺も健の気持ちがわからないわけじゃねぇんだ…

ああ！もうっ！

俺は真面目くさッた顔をして声のﾄｰﾝを落とし、健と剛の腕を力一杯掴んだ。

井ノ原「お前ら、わかってんだろうな、駄目だ、これも見せらんねぇ、絶対にもう聞くんじゃねぇ！……
健、剛、いいか？後でお前ら二人だけでこのファミレスに来い。」

ファミレスの場所と名前を書いてメモを二人に渡した。

剛は少し驚いた顔をしてて健は泣きそうになっている。
俺は笑顔に戻すと二人の腕を軽くﾎﾟﾝｯと叩いた。
周りの職員も急に健が大声を出したことによって作業が止まってしまっていた。

井ノ原「あ、すみせーん、お騒がせしました～もう大丈夫ですぅ～」

いつもの爽やかスマイルできめて周りの機嫌をとった。
こういうときにぞ細い目とこの顔役に立つ～

健や剛も情けない声っちゃー可哀想だけど、少し落ち着いたのか力が抜けきった声で「すみませんでしたぁ～」と同時に言った。だからお前ら双子か(笑)