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阿 「へぇ、大学生なんだ？」
あ 「はい！…今年で一応大３になります」
阿 「いいなぁ。俺もその頃が一番楽しかったかも」
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阿部さんが入店して来て、少し緊張も解けたみたいで、目を合わせて話せるまでになって来た。
今はお互いの軽い自己紹介を。
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あ 「楽しかっただなんて、凄いです…！
勉強の進みは早いし、とてもついていくのにいっぱいいっぱいで」
阿 「まぁ勉強はコツを掴めば楽しいんだけどね。
ちなみに何系なの？」
あ 「一応、理系、です…でも全然バカなんですけど」
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阿 「お！俺と一緒だ」
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そう口を尖らせると、目の前のフルーツティーを一口口にした。
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阿部さんも理系だったんだ！
確か、阿部さんすごく頭よかったよね。
勉強とか教えて欲しいなぁ、なんて。そんなこと口が裂けても言えないけど…
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阿 「…そっかぁ」
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楽しくて、一秒一秒がとてもあっという間に感じる。
二人でこうやってお話を出来る。ましてや阿部さんは芸能人で、私は一般人。
こんなの当たり前じゃないんだもんね。
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時間よ、止まれ。
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…あ、そうだ。
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ポケットから取り出した緑色のハンカチ。
彼にまた会いたくてずっと持っていたもの。
何故か『コレ』を渡してしまったらもう会える口実もなくなってしまう気がして…
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出す手がつい、躊躇う。
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あ 「…阿部さん。コレ、本当にありがとうございました」
阿 「え、こんなに綺麗にしてくれたの？気遣わなくていいのに。…ありがとうね」
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阿部さんがにっこり笑う。
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『ありがとう』阿部さんのこの言葉が今日で最後のようなそんな気がして、思わず唇を噛み締める。
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『また会いたいです』この言葉だけでも。
この言葉だけでも勇気を出して言いたい…
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あ 「あ、あの…」
阿 「…ん？」
あ 「また…」
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阿部さんが私を見つめる。
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言いたかった。…だけど。
あ 「…お、お仕事頑張って下さい！」
阿 「…ふふ、うん。ありがとう」
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結局、『会いたい』たったこの一言が言えなかった。
こんな臆病な自分が、大嫌いだ。
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くろーばー。(プロフ) - ちょこぷりんさん» コメントありがとうございます(^^)本当ですか>_<そう言って頂けてすごく嬉しいです...！！これからも頑張ります！よろしくお願い致します（´-`）.｡oO (2020年9月23日 21時) (
レス) id: 4ad08ac1bd (このIDを非表示/違反報告)
ちょこぷりん - くろーばー。様、初めまして！このお話すっごいきゅんきゅんして日々の癒しです！これからも更新頑張ってください！！ (2020年9月23日 17時) (レス) id: 24710045d3 (このIDを非表示/違反報告)
くろーばー。(プロフ) - 莉々架さん» コメントありがとうございます！ここまで拝見して下さり嬉しいです（ ; ; ）更新頑張ります！！これからも応援よろしくお願いします（ ; ; ） (2020年9月22日 17時) (レス) id: b8ce1ddad7 (このIDを非表示/違反報告)
莉々架(プロフ) - 初コメです！続きがとても気になります！更新頑張ってください！ (2020年9月22日 14時) (レス) id: f2b92fab61 (このIDを非表示/違反報告)
くろーばー。(プロフ) - 名無しさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです（ ; ; ）これからも更新頑張っていきますので、どうぞよろしくお願い致します...！！ (2020年9月12日 19時) (レス) id: 537862b176 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろーばー。
x他1人 | 作成日時：2020年9月8日 18時
