名家の次期当主に溺愛されています-6- (ページ11)

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。゜+゜。〇-Episode11：結婚の挨拶-〇。゜+゜。ページ11

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沙耶「(私がいた頃は、埃が少し残っているだけで怒ったのに…。自分たちが掃除する時は、どうでもいいのね)」

英太郎に案内され、リビングに入る

リビングでは、千香子が待っていた

その表情は、明らかに不機嫌そうだった

英太郎は千香子の隣、和田と沙耶は英太郎たちと向かい合うように椅子に座る

和田「本日は、急な訪問の要望にお応えいただき、ありがとうございます」

英太郎「いえいえ。本来であれば、もっと早くお招きしたかった。ちょうど、ご連絡をいただいた時が締め切り間近だったもので…」

和田「そうでしたか。執筆作業、ご苦労様です」

淡々と会話をする和田たちを、沙耶は不思議そうに眺めていた

英太郎は、すっかり和田に心を許しているようだ

英太郎「それで、大事なお話があるということですが…」

和田「はい。沙耶が俺の婚約者になって、約4ヶ月が経とうとしています。結婚に向けて話を進めようと決心し、この度ご挨拶に参りました」

英太郎「…」

千香子「結婚……ですって…！？」

英太郎は何も言わないが、千香子は想定外だという表情をしている

沙耶「(まぁ…こういう空気になるよね)」

沙耶も、結婚の話だとなれば気まずい空気になるのは分かっていた

しかし、この気まずい空気を吹き飛ばしたのは英太郎だった

英太郎「そうですか。意外と、結婚の話が出るのが早かったですね」

千香子「！？」

英太郎は、何だか嬉しそうな様子

そんな英太郎を見て、千香子は驚きを隠せずにいた

沙耶「お父さん…」

英太郎「結婚に反対はしません。願うのは、大事な娘の沙耶の幸せです。沙耶が、あなたと一緒にいることを願っているのであれば、応援しますよ」

沙耶「…」

英太郎の言葉に、沙耶は驚いた

以前、英太郎が和田家に訪問してきた際に鉢合わせした時、英太郎の本当の気持ちを知ることが出来た

さらに、今回は英太郎が沙耶の幸せを願っていることも…

ちゃんと「大事な娘」と思っていてくれたことも…

英太郎「真斗くんとの婚約も、沙耶が幸せになれる方法だと思っていました。この家では、千香子と玲奈に家の仕事全てを任され…可哀想でしたから。以前もお話したように、私はそんな沙耶を助けることが出来ませんでした。それを後悔しているからこそ、結婚して幸せになることを願っているのです」

沙耶「お父さん…」

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