名家の次期当主に溺愛されています-5- (ページ36)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:6,448 hit

。゜+゜。〇-Episode10：初めてのプレゼント-〇。゜+゜。ページ36

.

蓮音「俺が、当時の上司と一緒に店に来ただろ？その時、その上司が俺が社長の息子だって言いふらして…」

慶子「あー…。なんか、思い出してきたかも…」

蓮音「その時に、カウンターで作業してたのが慶子だったんだよ。それで、その……俺が次期社長だって言ったら、慶子が『かっこいいですね』って言ってくれたじゃん…」

若干照れた様子で、当時のことを話す蓮音

沙耶「え、慶子…そんなこと言ったの？」

慶子「んー…。ごめん、憶えてない」

蓮音「マジかよ…」

再び、ショックでテーブルに頭を伏せる

和田「まぁまぁ…。言った本人は、あまり憶えてないことが多いみたいだし…」

蓮音「くっそー…。慶子も憶えていると思ってた…」

沙耶「ちなみに、それっていつくらいの話？」

慶子「まだ、バイトを始めて2ヶ月くらいの頃かな。言われてみれば、そのカウンターでの会話の後から…蓮音を意識するようにはなってた気がする」

和田「その頃から、彼のことは気にしてたんだね」

慶子「まぁ、恋愛感情は無かったですけどね」

蓮音「ハッキリ言うなー…」

和田「そこから、どうやって恋愛感情に変わったの？」

慶子「まぁ…事件があったんですよ」

和田「事件？」

***

4年前…

カフェの厨房

沙耶『え、ストーカー！？』

慶子『うん…』

沙耶『大丈夫？でも、どうして急に…？』

慶子『私だって分かんないよ！ただ、閉店作業をして21時近くに店を出ると…誰かに後ろから追いかけられているように感じて…』

数週間前から、慶子は怪しいストーカーの気配を感じていた

店長に相談し、しばらくは閉店時間までのシフトを避けてもらうことになった

沙耶『親に相談は？』

慶子『親にも相談したし、警察にも話はした。でも、ちゃんと捜査してもらえるかは…』

沙耶『そっか…』

カフェに蓮音が来店する様子が見える

慶子『あ、蓮音さんだ…』

沙耶『…』

窓際の席に座り、蓮音は仕事用のパソコンを開いて作業している

沙耶『慶子、蓮音さんに相談したら？』

慶子『へ！？』

沙耶『最近、仲良くしているみたいだし…』

慶子『でも…迷惑じゃないかな？』

沙耶『慶子、蓮音さんのオーダー品に、メモ添えてるでしょ？そこに、書いてみたら？』

慶子『何で知ってるの…！？』

慶子はこっそり、蓮音の注文したメニューを運ぶ際に一言メモを添えていた

沙耶にはバレていたようだ

沙耶『この前、偶然見ちゃって…』

慶子『…』

.