名家の次期当主に溺愛されています (ページ4)

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。゜+゜。〇-Episode1：運命の出会い-〇。゜+゜。ページ4

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桜が咲いて、少しずつ暖かくなってきた4月上旬…

都心から少し離れた閑静な住宅街

周りの住宅より少し大きくて豪華な一軒家がある

小説作家五条英太郎の家である

そのリビングでは、英太郎の妻の千香子と娘2人が夕食を終えていた

千香子「これ、全部片づけておくのよ」

沙耶「…」

キッチンの流し台に、山のように洗い物が積み重ねられている

玲奈「あ、あとさー。さっき出した洗濯物の中にブラウスがあるんだけど、お気に入りのやつだから、明日までに絶対に乾かしておいてね」

沙耶「はーい…」

言いたいことだけ言って、自分の部屋に戻っていく2人

千香子と玲奈は、沙耶とは血が繋がらない家族

沙耶にとって、千香子は義母で玲奈は義妹になる

沙耶「さて…。玲奈の体操着から洗濯しよう…。絶対に、そっちの方が時間かかるし…」

洗面所に行くと、家族全員の洗濯物が散らかっている

沙耶「はぁ…」

大きなため息を吐きながら、優先順位が高い玲奈と千香子の洗濯物を洗濯機に入れていく

沙耶「(あと数日の我慢…。数日後には、真斗の家に行けるんだから…)」

沙耶には、10歳の頃に実母が決めた1歳年下の婚約者がいる

相手は企業グループ「近衛グループ」の跡取り息子の近衛真斗

沙耶の母である五条めぐと真斗の母である近衛優子が学生時代からの友人で、その繋がりで婚約をした

数日後には真斗が18歳の誕生日を迎えるため、ようやく結婚に向けた生活が始められるのだった

沙耶「真斗もきっと、楽しみにしてくれているはず。さっさとこの家を出て、真斗と幸せに暮らしたい…」

真斗と婚約をした数ヶ月後、母親のめぐが病気で他界

その半年後、父親が大手化粧品メーカーの会長の娘である飛鳥千香子と再婚

千香子も再婚で、沙耶の2歳年下の娘の玲奈を連れていた

沙耶が大人しくて育ちが良く、周りからチヤホヤされたことが千香子は気に食わなかった

そこで、沙耶が中学生になった頃から玲奈と共に家のことを押し付けるようになった

そして、沙耶に対しては冷たい態度を取って周りから『育ちが悪い子』だと思われるようにした

全ては自慢の娘である玲奈を引き立てるため…

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