名家の次期当主に溺愛されています (ページ16)

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。゜+゜。〇-Episode1：運命の出会い-〇。゜+゜。ページ16

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そんな様子を見抜いたのが、運転をする付き人の中村浩大

幼い頃から和田と行動を共にしていた仲だ、和田の様子が少し違うことくらいすぐに分かる

浩大「…どうした？」

和田「え？」

浩大「お前にしては、珍しく上の空だな」

和田「そう…？」

浩大「何か、考え事か？」

和田「……あの娘が気になる」

浩大「あぁ、給仕係をした若い娘か」

和田「何でだろう…。今まで、いろんな女性と縁談をしてきた。でも、こんなに気になって仕方ない女性は初めてだ」

浩大「…」

和田には数々の縁談が舞い込んできた

資産家の令嬢、世界のミスコンで上位に入賞したという美女も来たが、どの女性も和田の心には響かなかったのだ

それなのに、沙耶のことだけは忘れられない

そして、もう1つ気になることがあった

和田「あの娘について雅彦さんに話を伺ったら…何やら動揺していた。つまり、何か秘密がある…」

浩大「秘密…か。調べてやろうか？」

和田「あぁ、頼むよ」

***

夕方

近衛家の休憩室

沙耶は同じ使用人の春子と一緒に休憩する

春子は沙耶より少し年上の20代半ばくらいの年齢

優しくおっとりした雰囲気で、肩を少し越す緩くパーマがかかった淡い茶髪の女性だ

沙耶「ふぅ…」

春子「沙耶さん、桜庭さんからお聞きしましたよ」

沙耶「え？」

春子「和田様に褒められたんですってね」

沙耶「あ、はい…。でも、それって…そんなに珍しいことなんですか？」

春子「珍しいですよ。まぁ、彼も大人になったということかもしれないですけど…。なかなか、給仕係を褒めることは無いとお聞きしますよ」

沙耶「桜庭さんが、彼は女性に興味が無いのかもという噂があると言ってましたけど…本当なんですか？」

春子「数々の縁談を断ってることは有名です。沙耶さん、彼がどういう方がご存知？」

沙耶「桜庭さんから聞いてます。和田グループの会長兼社長の息子だと…」

和田グループは、国を代表する大手企業グループだ

数々の事業で成功していて、国の経済に大きな影響を与えている

近衛グループも仕事の関係で和田グループと繋がりがあり、本日の訪問は仕事関連の商談だった

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