名家の次期当主に溺愛されています (ページ12)

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。゜+゜。〇-Episode1：運命の出会い-〇。゜+゜。ページ12

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桜庭に案内され、長い廊下を進むと、小さな庭先に離れの建物がある

ここが使用人たちが生活している場所のようだ

これから一緒に働く使用人仲間たちに挨拶を済ませ、支給された使用人用の仕事服に着替える

近衛家の外装が和風なため、使用人たちの仕事服は動きやすい着物だ

沙耶はさっそく掃除や物置の整理などの仕事を始める

カフェでのバイト経験も活かされ、手際よく仕事を熟す沙耶の姿に周りの使用人たちは驚く

しかし、他の使用人たちは沙耶の『欠点』に気付いた…

それは、一度に抱える仕事の量が多すぎること

実家で千香子や玲奈に押し付けられていた仕事量が膨大だったため、それが沙耶にとって当たり前だと思っているのだ

大量の洗い物、大量の洗濯、家の掃除など…全ての仕事をほぼ1人で熟していたのだ

それを近衛家でも1人でやろうとするのだから、逆に周りの使用人たちの仕事が無くなってしまう

そして、さらに沙耶は休憩をしようとしなかった

千香子から「仕事が全て終わるまでは、休むな」と言いつけられていたからなのだ

見かねた桜庭が「その仕事は、他の使用人たちに任せなさい」と言い、沙耶に休憩を与えた

使用人の1人である氷川が桜庭にこう言った

氷川「桜庭さん、あの子…実家で何を言われていたんでしょうかね？私たちが『それは、私たちも一緒にやる仕事だから』と言っても『いえ、全部自分で出来ます』って言うんですよ」

桜庭「…」

氷川は20代後半くらい

黒髪のショートカット、凛とした雰囲気のある女性だ

沙耶の働きぶりには関心しているようだが、1人で抱え込む姿に少々呆れている様子

氷川「私たちにとって手分けしてやる仕事も、あの子にとっては全部自分だけでやることだと勘違いしてますね。使用人は、あの子だけじゃないのに…」

桜庭「そうですね。沙耶さんに…よく言っておきましょう」

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1週間後…

近衛家の使用人たちが、朝礼をするために集まっている

桜庭「沙耶さん、あなたをこの家の使用人として迎え入れて1週間が経ちました。最初はどうなるかと思いましたが、良い仕事ぶりで関心しております」

沙耶「ありがとうございます…！」

桜庭「まぁ…何でも1人で仕事をやろうとする姿には、冷や冷やさせられますが…。1週間経って、少しは周りの使用人たちと協力するようになりましたね」

沙耶「すいません…」

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