その時まで . (ページ3)

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結局リリーは来ぉへんかった。

あれからまだ連絡はつかんし
折り返しも誰もきてへんし

普段がちゃんとしてた分、
流石に周りの大人もザワついとる。

事故にあったんとちゃうかとか
犯罪に巻き込まれたんちゃうかとか

寝坊にしては寝すぎやし

携帯の充電が無かったとしても
連絡手段は他にいくらでもあるはずや。

河「リリー来んかったな」

盛「俺、この後リリーの家行こう思ってるんですけど」

河「それがえぇ、お前が様子見たって」

リリーと会えたら連絡くれ、と残して
去って行くゆずるさんの背中を見つめながら

リリーが今何をしてるのかを、
昨日のリリーはどうだったのかを考えた。

少し…元気なかったかな…
でもその時は、前日遅くまでの仕事なのと
その日が早朝からの仕事なのとで
寝不足や言うてたし。

ﾏﾈ「盛山さん、タクシー来ます」

盛「おん、ありがとう」

ﾏﾈ「 …リリーさんの家、行かれるんですか？」

盛「なぁ田中、行ってえぇと思うか？」

ﾏﾈ「多分、わからないですけど
　盛山さんが適任だと思います」

盛「適任て…んん…
　…リリー今日これ以外に仕事あった？」

ﾏﾈ「いや、これだけです」

盛「そか、ありがとな… 」

大阪の空は
星すら見えなくて、

吸い込まれそうな黒に
不安な気持ちは余計増えてくばかりで。

盛「西成までお願いします」

『ごめんもりし、めっちゃ寝とった』

『今日やったっけ？来週ちゃうん？』

『ドラマ見てた』

都合の良いことばかり頭に浮かぶ。

そうであってくれと
願うことしかできひん。

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