【ハリーポッター】吸血鬼少女は戦う【１１章】 (ページ46)

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命令ページ46

その会議中に、新しく死喰い人に加わったドラコにダンブルドアの殺害命令が下った。

マルフォイ家の信頼を取り戻すためにルシウスさんはなんとしてでも成功させると意気込んではいたが、シシーさんは全くその限りではなかった。
それもそうだろう。
自分の愛息子をどうして殺人鬼にできようか。

会議が終わり、あらかたの幹部が帰った後、慌てふためくシシーさんの元による。
ドラコも蒼白とまでいかないものの、直接的なその命令に顔色が悪くなっているのが窺える。

『シシーさん、気を確かに…
学校内であれば私も手を貸すことはできますし、それに、セブルスもいます。』

そう言えば曇らせた顔をパッと私の方に向けた。

「でも貴女は十分に責務を背負って…」

哀しそうに彼女はそういい、どうしようかと思案しはじめる。
セブルスと破れぬ誓いで契約する話にのせてみる。セブルスも一層面倒臭くはなるだろうけど、この暗殺が成功すればドラコはもちろん、それと同時にセブルスの株と地位も一層確かなものになるだろう。
それに私も誓いを立てたとすれば…あの人のあたりももう少しマシになるだろうか…

「良ければ、明日セブルスの元へ向かうから泊まって行かないかしら？
もちろんレギュラスも呼んで。」

顔色がイマイチ優れない息子を見た彼女は私にそう問うた。
学友というか、私たちがいればドラコも少しは気が和らぐと思ったのだろう。

私は頷いて、手紙を持たせたフクロウを家に向かわせる。
あの人がいないマルフォイ邸だったらレギュラスも多分くるだろう。

ーーーーーー

「悪いな、A」

柔らかいソファーに沈み込んだドラコは前髪を掻き上げてそういった。
ふぅ、とため息をついて上まで締められたシャツのボタンを一つ、二つと外して脱力する。

…わかる、わかるよ…
私も家だったらこの服を脱ぎ捨ててレギュラスのシャツオンリーになりたい。

『いえいえ、あの威圧感の中お疲れ様でしたドラコ。
死喰い人の幹部クラスで一番若いのですから、それにしては上出来ですよ。』

だといいがな、と少し歯切れの悪い答えが返ってくる。
不服らしい。

「このままじゃマルフォイ家ももう先は長くないだろう。
幹部の数人は先の戦いでまた牢獄送り、あの方からの評価はまた地に落ちた…僕がしっかりしなければ…」

ドラコは疲れたように額に手を添えて俯いた。
　
　