整理２ ページ43
当たり障りの内容を交えながら家に招待する種を書くと、ハリーからいつになるかはまだわからないけれどこちらに来るとの返事が届いたのは送ってから三日ほど経った日だった。
それまでに私たちは専門家を交え、自身の相続やら保険やらのいざこざを整えて、無事レギュラスとの結婚も７月７日、七夕の日に受理されてひと段落した。
やはり、ブラック家の記念日たるもの星に関係していなければ…(というのはただの後付けであって、偶然だ。)
あとは…
「一通り片付きましたねー
あ、アイスティーとフルーツお持ちしますね。」
換気のために窓を開けたキャロルは日の光を浴びてグッと背伸びをしてから一階の応接室の奥にあるミニバーの裏で何やら作り始めた。
カウンターの上にあるフルーツを手際よく切り、すでに作ってあったアイスティーを細長いグラスに注ぐ。
琥珀色のそれはとても美味しそうだ。
『ならみんなでお庭のテーブルで休憩しましょうか。
フィニ、レギュラス、外の準備お願いします。私は少し上に取りにいくものがあるので…』
一人静かな屋敷の階段をゆっくり登る。
レギュラス的にはどうしても色々と贈りたいのか、婚姻届を魔法省に届けに行った時にダイアゴン横丁の横道にあるジュエリーショップによって結婚指輪を贈ってもらった。
まぁ、明らかに二人で似た指輪をしていればバレるからネックレスに変わる魔法仕掛けのものを。
一粒のダイアモンドが輝くプラチナの指輪はとても高級感があり、重厚さも、輝きも普通のものとは比べられないようなものだった。
今は指輪の形をもつそれをチラリと見て、廊下突き当たりの書斎にあるテーブルの収納から何枚かの紙を取り出した。
下の方には二つの血の跡がついている魔法契約書。
彼女が二十歳になるまでこの家で面倒を見ると書いてはあるけれど…できるだけ早くこの屋敷から離れた方がいい。
どうして説得しようかと頭を悩ませながら、自室の窓から庭に飛び降りたらキャロルに悲鳴を上げられた上にものすごい怒られた。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2019年9月2日 3時
