第百二十六訓 ページ36
「Aちゃんを追い出そうとする奴なんて、ここにはいないさ」
昨日Aが部屋に籠って考え込んでいる間
土方と近藤は話し合った
このままAに真選組を続けさせていいのか…ではなく
隊士たちに話すかどうかを
真選組を抜けたからといって病気が治る訳ではない
事情を知っている者が近くに居る方がAとしても安心だろう
二人とも、Aを追い出す選択肢は考えてなかった
近藤は隊士たちを集め、Aの抱える病について話した
満場一致で皆協力する方向に話は進んだ
病相期間中Aは仕事が手に付かなくなるが、見回り程度の仕事なら分担でどうにかなる
討ち入りと被った時、その時は土方が戦術を練り直して対処し、屯所待機の隊がAの様子を看ればいい
「何とかなるさ、だから何も気に病むことはないぞ」
＿柊！仕事のことなんて気にするな！
＿そうだぜ柊ちゃん、俺たちに任せな
＿…ｚ
＿柊さんには稽古でもいつも世話になってるからな
＿しょっちゅうサボって迷惑かけても何とも思わないクソドSもいるんす、気にすることないっすよ！
＿おい、それ誰のこと言ってんでィ神山
＿安心してください！俺たち協力します！
『…皆』
胸がじんと温かくなった
慣れないソレにむず痒さを感じながらAは『ありがとう』と言葉を残す
自分が真選組の一員と考えられていることが嬉しかった
「Aちゃん、これからも真選組で居てくれるかい」
『はい、勿論です』
真選組であれて良かったと心から思えた瞬間だった
隊士たちとAが部屋を出て行って暫く
部屋に残っていた土方は横目で近藤を見ると口を開いた
「…聞かなくて良かったのか」
「良いさ、いつか話してくれるまで待とうじゃないか」
昨日、隊士たちに話す前に近藤は松平へ電話を掛けた
松平にも話しておく必要があると判断してのことだ
″Aちゃんは身内も居ねェし帰る家も真選組しかねェんだ。しっかり面倒見てやんな″
松平にもそう言われ勿論だと返し、電話を切った後ふと疑問が湧いた
＿なァトシ、確かAちゃんって毎年帰省してたよな？
＿あ？…あァ、四月ぐらいになると上州に帰るって休みとってるな
＿Aちゃん…ここ以外帰る場所ないってとっつぁんが…
＿はァ？じゃあ、アイツ毎年どこに帰ってんだよ
一々詮索するつもりはない、誰にでも話したくないことの一つや二つある
Aは真選組を自分の居場所だと言った
近藤はそれだけで充分だった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 189人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みぃ(プロフ) - この作品とっても大好きです！更新頑張ってください！ (2019年6月15日 16時) (
レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
伝説じゃないパンダ(プロフ) - とても、面白かったです！続きがとても楽しみです！立花。。。。あ、立花ぁ〜。続編おめでとうございます！！更新応援しています！ (2019年5月3日 20時) (レス) id: 38426ec896 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！立花、、、、辛いです(泣) 続き楽しみにしております。頑張ってください！！ (2019年4月18日 1時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
時神時神@コーラ中毒(プロフ) - 立花……（泣）続き楽しみに待ってます……立花ぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ (2019年4月18日 0時) (レス) id: 6a39446066 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あまね | 作成日時：2019年4月17日 23時
