第百十二訓 ページ22
翌日
もうすっかり怪我は良くなったとはいえ、退院したばかりだからと近藤の厚意でその日一日休みをもらったA
散々仕事が溜まっているとぼやいていた土方でさえもう二、三日いらないのか、と言ってくれたがそれも断った
酒宴での被害者たちは余程トラウマになったのか、Aを見かけると顔を青くしてすぐに立ち去る
…彼らには申し訳ないことをした
一番忘れていて欲しかった人物、沖田はそれはもうキッチリ全て覚えているようで…
酒瓶で殴られたことを根に持つ沖田に追いかけられ朝から屯所の至る所で爆発が起きていた
何とか沖田を撒き屯所を出て暫く
花屋で供花を見繕ってもらい、やって来たのはとある寺の墓地だ
『遅くなってすまない』
真新しい墓石前にしゃがみ、手を合わせる
線香の匂いに包まれながらAは墓石に話しかけた
あんたがいないと、随分屯所が静かだよ…
いや、屯所じゃないか
私の周りだ
私に付きまとう物好きは立花ぐらいだったからな
年々グレードアップしていく疑似洋風ティーセットがないというのも中々慣れそうにない
今日の朝食時を思い出しながらフッと鼻で笑う
『あーあ、これでようやくあんたと見廻り行くこともなくなる』
なったつもりもなかったコンビは解消だ、精々する
あんた頻尿でやたら厠行きたがるから迷惑してたんだよね
やたらと長い稽古時間
立花の呑み込みが悪いおかげで私の稽古は全然進まなくて…
最近は山南も他の皆に稽古つけてくれてるから、これからは私も自分の稽古に専念できるってものだ
『……』
ね…あんたがいなくても、何てことないさ
私はちゃんと生きていく
だから…
だから、私が逝くまで立花はそっちで素振りでもして腕磨いてな
人斬りの私たちがいく先なんてどうせ地獄だろ
弱くなってたら地獄よりもキツい修行つけてやるから
言葉が途切れ、一度目を瞑ること十数秒
線香独特の匂いがより強く感じられた
『……護れなくて、ごめんなさい』
次に目を開けたAは敬意を込めた眼差しで墓石に敬礼した
『私を師匠にしてくれて…ありがとうございました』
____
__
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「頼み？」
屯所に戻ったAは、副長室に足を向けた
ある頼み事をするために…
二つ返事で了承を得たAは保管庫にて満足気にソレを手に取るとそのまま左腰に差した
真選組の神速、柊Aは以降攘夷浪士たちからこう恐れられることになる
″二刀流の神速、柊A″と…
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みぃ(プロフ) - この作品とっても大好きです！更新頑張ってください！ (2019年6月15日 16時) (
レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
伝説じゃないパンダ(プロフ) - とても、面白かったです！続きがとても楽しみです！立花。。。。あ、立花ぁ〜。続編おめでとうございます！！更新応援しています！ (2019年5月3日 20時) (レス) id: 38426ec896 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！立花、、、、辛いです(泣) 続き楽しみにしております。頑張ってください！！ (2019年4月18日 1時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
時神時神@コーラ中毒(プロフ) - 立花……（泣）続き楽しみに待ってます……立花ぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ (2019年4月18日 0時) (レス) id: 6a39446066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまね | 作成日時：2019年4月17日 23時
