【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ10)

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第五十九訓ページ10

『あれ、原田に山崎、何してんの？』

「うおっ、びっくりした…驚かさないでよ柊ちゃん」

こそこそしているところを発見し、声を掛けたら綺麗に飛びあがってみせた二人

『こんな屯所の隅で何してんの？』

「べべべべ別に！何もしてないよ柊さん！俺たち何もやましいことなんてしてないから！」

『そんなどもってちゃ、白状してるようなもんじゃん』

何、やましいことしてんの？
と必死に何かを隠す二人の間から無理矢理覗き見た

『…巨乳美女特集、甘く危険などスケｂ「ちょ、やめてェエエエ！！読み上げないでェエエ！！」

『いや、なんか…すんません。なんか…余計な詮索しちゃったみたいで…』

「そんな気を遣った感じ出さないで、気まずいから。グサッとくるから」

『ホント忘れるんで…私何も見てないんで、ごゆっくりどうぞ』

「ち、違うから！これ原田が拾ってきたの！俺こんなもん興味ねェし！」

「ちょ、山崎てめェ！何裏切ってんだよ！喜んで見てただろーが！」

『あの大丈夫なんで、私の道場の門弟たちも時々こそこそしてたんで、慣れてるんで』

「頑なに目合わせようとしないんだけどこの子！心に傷残ってるよコレ！」

じゃ、

そう足早に去って行く柊さんが見えなくなるまで、俺も原田も何も言う事ができず固まっていた

「よりによって柊ちゃんに見つかっちまうたァ…悪ィことしたなァ…」

「まだ土方さんの方がマシだったね…」

「…って山崎、お前ソレ」

「え？」

″剣道の心得～武士とは何たるか～″

俺が手に持っていたのはそんなタイトルの本だった

「あれ？いつの間にこんな本…雑誌はどこに…」

「お探しのモンはこれかァ？」

「あ、それそれ。ありがｔ…

受け取ろうと手を伸ばしたところで声の主を頭が理解した

「屯所内にんなモン持ち込むたァ、そんなに切腹したいようだな？山崎ィ」

「ひ、土方さ…」

「原田ァ！こそこそ逃げようとしてんじゃねェっ！」

「は、はィイイ！」

「てめェら朝まで素振りしてろ！」

拳骨とは思えない頭カチ割れそうな激痛に耐えながらふと母屋に視線を移した俺は見た

『……』

ゴミを見るような…冷ややかな目で影からこちらを見据える柊さんを

「(心の傷なんてもんじゃない…)」

『…ﾍﾟｯ』

憎悪だ

「(あの人エロ本読んでた門弟たちに一体どんな恨みあんの……)」

親指で首を切るような動作をした柊さんを見ながらその日俺は誓った

彼女の前で二度とエロ雑誌の類を読まないことを