【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ48)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:72,477 hit

第八十八訓ページ48

「辰巳のおやっさんの言った通り、コイツはただの人殺しだ。俺たちの家族を奪った人殺し。そんな奴が江戸で警察なんて笑わせるな」

『辰巳…そうか、そういうことか』

Aは汁粉屋のオヤジを見つめ、問うた

『あんた、何者だ？』

「あ？だから七年前ｎ『違う』

『あんたの名前、言ってみろ』

「……」

『一体誰が誑かしたのかと思っていたが、やっと合点がいった』

「おい、何の話をしてる」

森司が割って入ってくるのも無視し、Aは汁粉屋を見つめる

『大体、刀や銃ってのは誰でも簡単に扱えるような代物じゃない、よく見てみなオヤジ』

武器を構える男たちの重心も銃口もブレブレ
扱い慣れていないのは一目瞭然だ

先程森司はAを撃ったが、あれは威嚇射撃なんかじゃない

弾を打った時の反動に腕が耐え切れず銃口がズレたのだ

当然だ、田舎に住み武器なんて碌に触ったこともない連中の集まりなのだから

だが

『オヤジ…あんたの刀は私を斬る気満々だ、つまりあんたnｸﾞｼｭｯ

「ったく、一瀬…余計なことを。計画が狂っちまった」

立花の首筋から刀をどけ、Aへ突きを繰り出した汁粉屋のオヤジ

腹に突き刺した刀でグリグリと傷口を抉られ、Aの表情が歪む

「辰巳…さん？」

突如雰囲気の変わった男に森司は困惑した顔を向けた

「俺の名は辰巳。辰巳大助だ。3か月前、真選組に潰された花林党の残党って奴さ…」

『確か、奴らを匿っていたのは旅籠辰巳屋だったな。関係は？』

「辰巳屋は俺の兄が経営してたんだよ」

『兄弟揃って攘夷思想か…まだ残党が残ってたとはね…』

「ま、待ってくれ…花林党？攘夷？一体何の話をして…」

『その男は道場の門下生の近親者でも何でもない。ソイツはただの攘夷志士だ』

狼狽えた森司を嘲笑い、辰巳は話し出した

「汁粉屋で偶然お前に出会った時は驚いたぜ。まさか真選組の奴が常連になるとはな」

あの汁粉屋は数年前から経営し始め、Aも偶に通っていた店だった

旅籠辰巳屋を主に拠点としていた花林党だが、3か月前潰されてからは残党を汁粉屋に匿っていたらしい

ちょうど最近頻繁にAと立花が店に顔を出すようになり、復讐の機を狙っていたという

そんな中、真選組の柊の噂を聞きつけ様子を見に上京してきた一瀬森司と偶然出会った辰巳

酒に酔わせ話を聞きこれは使えると、今回の計画が練られた