【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ37)

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番外編　散髪Ⅱ ページ37

「うっ、ぐすっ…」

「ったく、いつまでめそめそしてんだ近藤さん。会議の時間押してんだぞ」

朝

会議開始10分前に部屋を訪れた時には、既に近藤の顔面は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた

ﾎﾞｿ

『ねェ、局長何があったの』

隣りに座る立花に耳打ちするが、立花も分からないと首を振っている

すると反対隣りに座っていた山崎がAに耳打ちし、教えてくれた

「何でも、昨日アタックした女性にこっぴどく振られたみたいで…」

『それであの落ち込みようって訳？』

会議の時間が過ぎても泣き続ける近藤の周りには水溜まりが出来ている

ｶﾞﾗ

「おはようございやーす、ってあれ、どうしたんですかィ近藤さん。まさかまだ昨日のこと引き摺ってんですかィ」

「総悟、とっくに時間は過ぎてんぞ。当たり前のように遅刻して来るな」

遅刻常習犯沖田はいつも通り堂々と会議に遅れ、体裁程度に近藤について触れると席に着きいつも通りアイマスクを付け眠りに入った

「何で即行寝てんだてめェは!起きろ！起きて切腹しろォ！！」

立ち上がった土方が刀片手に沖田へ詰め寄ろうとしたが、近藤の涙やら鼻水やらで出来た水溜まりに足を取られ盛大にこけた

「……」

何とも言えない空気が漂う中、近藤の嗚咽だけが部屋に響いていた

____

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昼

「『……』」

パトカーで市中見廻りに繰り出していたAと立花

赤信号に捕まり、助手席に座っていたAはふと窓から外に視線を移した

『……何アレ』

ズーン

この世の終わりでも訪れるのかという程の負のオーラを引き連れ、フラフラ足取りの覚束ない男が歩いていた

穴が開くぐらい地を見つめ続けているその男は、前を見ていない故に赤信号の横断歩道を堂々と渡り…

プー！！プップー！！

ドゴォッ

トラックに跳ねられた

「……あの、師匠」

『……』

「……なんだか見覚えのある人が目の前吹っ飛んでいったんですけど」

公園の横垣に突き刺さり足しか見えていない男を一瞥し、とりあえず立花にはパトカーを脇に駐車させることにした