番外編 親の心子知らず２ ページ17
うちの道場の門弟は人情味溢れた良い奴ばっかだ
困ってる奴がいたら助け合うことができる、自慢の弟子たちばっかだ
そんな奴らに囲まれて育ったAが奴らに懐くのは当たり前で…
皆が道場で竹刀振る姿をいつも熱心に見つめていた
『わたしもやりたい！』
Aがそう言い出すのもそう時間はかからなかった
「駄目だ」
『やりたい！』
「駄目だ」
『やだ！やりたい！けち！』
断固反対だった
竹刀なんて振り回さないで女の子らしく育って欲しい、怪我なんてつくってほしくない
母さんに約束したんだ
この子はちゃんと俺が育てるって
俺はその日からAの道場への立ち入りを禁止した
初めは泣いて喚いて駄々をこねた
少し揺らいだが心を鬼にして無視し続けたら次はこっそり道場にやって来るようになった
バレバレだったが見るだけのようだったから放っておいた
そしたら物足りなくなったのか今度は道場の弟子たちに取り入りだした
情に絆された奴らが何人か俺に直談判しにきたがそれも一蹴した
ようやく諦めたのか最近は道場に来なくなっていたが代わりに…
倒れるのも構わず笠なしで遊びまわるじゃじゃ馬娘になってしまったのだった
平気そうにしているが、倒れるまで日を浴びているのは相当辛い筈だ
これは最悪命にかかわる問題なのだから
だったら道場の中で思う存分竹刀振り回してる方が親としては安心できる
「全く…嬉しそうにしやがって」
やった、やったと跳び回るAを見て思う
母さん、俺たちの娘はちゃんと元気に育ってるぞ
だから安心してくれ
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ルタ - 続編おめでとうございます。 (2019年3月5日 20時) (
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作者名：あまね | 作成日時：2019年3月5日 19時
