第三十九訓 ページ40
話しながらもご飯とおかずの鮭にまでブチュブチュとぐろが巻かれていく
コレって人間が食べて良いモノ？
マヨネーズのマヨネーズ乗せってソレ何ていうマヨネーズ？
「うっぷ…師匠…気分が…」
顔を青くし口元を押さえた立花は「失礼します！」と叫び食堂を走り出ていった
続くように親衛部隊連中も食堂を飛び出して行く
厠に向かったのだろう、こんなもの見たら仕方ない
ふと沖田を見れば既にそこに姿はなかった
事前に察知して逃げたなアイツ…
「すまんなAちゃん、トシはマヨネーズが大好きでなァ。身体に悪いって言ってもやめないんだよ」
「お前もかけて食うか？美味いぞ」
『…いらない』
食堂の冷蔵庫にやたらマヨネーズが入っていたのは土方のせいか
この一か月の謎が解けた瞬間だった
『(最悪だ、絶対視界に入らないところで食べよう食欲が失せる)』
そういえば、規律の中にマヨネーズを無駄遣いするな、みたいな項目があったな
冗談か何かだと思っていたが、これを見る分に本当に破ったら切腹になりそうだ…
師匠馬鹿に親衛部隊、私的理由で規律を定める組のまとめ役
『(この組織大丈夫かな…)』
完全に食べる気の失せたAは冷めた食事を今しがた食堂に入ってきた人に無理矢理渡し、己の先行きをそっと案じながら食堂を後にした
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朝食を終え、集合場所である母屋前の広場には2番隊と4番隊が整列していた
今日から浪士組として、不逞浪士の取り締まりを目的とした見回りが始まる
記念すべき初見回りである昼の巡回メンバーはこの2隊だ
昼は2隊、夜は3隊体勢で見回りに就くことが昨日土方から発表された
夜は江戸城周辺や、大名たち役人が利用する高級料亭一帯等を強化的に巡回する
昼間はそういった場所よりもターミナルを中心とした周辺の巡回となっている
見回り自体は元々同心たちも行っていること
そのためあくまで浪士組は不逞浪士の現れやすい場所が担当という訳だ
「よし、全員揃ったな」
近藤、土方、沖田
彼らは今回2番隊に就いて見回りすることになっていた
「各自巡回ルートは頭に入ってるな？2番隊は3番地区から南方へ、4番隊は東の…」
出発前に土方が最終確認を始める
初仕事なだけあって皆やる気に満ちていた
「初の巡回、頑張りましょうね師匠！」
後ろから立花が小声で話しかけてきた
残念ながら立花とは同じ2番隊である
この五月蠅い奴と見回りまで一緒なのか、と心の中で悪態を吐いた
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作者名：あまね | 作成日時：2019年2月4日 23時
