【銀魂】Sleeping Princess (ページ4)

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第三訓ページ4

『…ふぅ』

気づけば外は橙色に染まっていた
時間を忘れてひたすら素振りしていたらしい

そろそろ部屋に戻ろう
道場を出ようとした時、母屋へ続く渡り廊下からいくつか声が聞こえてきた

＿お、こっちに道場あるぜ

＿まじ？俺たちで独占しようや

＿いいなそれ、見つけたもん勝ちってか！

足を踏み入れてきた男たちがAの存在に気付き、獲物を見つけたかのようにギラリと目を光らせる

「よお嬢ちゃん、さっきは散々馬鹿にしてくれてありがとう」

ありがとうを無駄に協調し、ニタニタ下品に笑う男たち
何が面白いのやら…

「てめぇみたいなガキが一体どうやって幕府に取り入ったんだァ？」

面倒なことになった…なんて思いはしない
売られた喧嘩は買ってなんぼ

『ガキ一人に大の男たちが寄ってたかって、恥ずかしくないの？』

「なんだとクソガキィ。一度痛い目見ねェと分からないようだな」

空気がピリピリとしてきた
喧嘩なんていつぶりだろうか、自然と口角があがる

まさに一触即発な状況下、男たちの後ろから別の声がかかった

「やめんかお前たち、道場は喧嘩の場なんかじゃねェぞ」

何やら顔の濃い男が現れた……半裸で
半裸っていうかほぼ裸
腰にタオル一枚巻いただけの姿だった

「何だてめェ、関係ない奴は引っ込んでろ！つーか何だその恰好！」

「女の子をいじめるのは感心せんなァ、今日から俺たちは仲間だぞ？」

「うるせェ！女なうえガキのコイツが仲間な訳ねェだろうが！」

＿まあ落ち着けよ同志

＿誰が同志だ、お前と仲良くするつもりもねーよ！

＿俺の連れたちが飯作ってくれてんだ、もうすぐできるだろうからお前たちも食堂来い

＿何馴れ馴れしく肩組んでんだてめェは！気持ちわりーんだよ！服着ろ！

＿おう、もうこれで俺たちは裸の付き合いだ！友情育もーぜ

＿気色悪ィこと言ってんじゃねーぞ！！

さっきまでの緊張感はどこへやら
この場のペースは完全にこの半裸男に持っていかれ、Aの存在も最早空気だ

興が削がれた男たちはブツブツ文句を垂れながら道場から出て行った

「ったく、喧嘩っ早い奴らだ。お嬢さん、怪我はないか？」

『…え、あ…大丈夫……』

この男、助けてくれたのか

…半裸だけど