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「−−−しかし、お仕事ばかりで大変でしょう。なかなかボーイフレンドとも会えないのでは?」


『.........ボーイフレンド?』


あぁ、失礼と彼は笑った。森谷さんは、やや蘭先輩を気にする素振りを見せながらも声を潜ませた。駅前で一緒にいた彼だ、と森谷さんは言う。偶然にも一緒に歩いてる所を見てしまった、と。宙を逡巡して思い至ったのは、快斗君しかいないのだけれど.......どうやら彼もまた、私達の関係を誤解しているらしい。



『.....あの、彼は.....』


「そういえば、知ってますか?このホールには中々ユニークなジンクスがありましてね。」



『ジンクス?』


ええ、と彼は頷く。日付が変わる頃に一階奥のリハーサル室の鏡に向かって、会いたい人の名前を告げると、近日中に会うことができる−−−と。



『............会いたい人、ですか?』


「おや、その様子では今にも会いたい方が、どなたかいらっしゃるようだ。」



零さんを一瞬だけ思い浮かべてしまった私は、クスクスと笑う森谷さんに気づいて頬を赤らめる。それから、彼の姿を消すように瞳を閉じると母さんの笑顔を思い浮かべた。



『......もし、会えるとしたら..........私は亡き母に会いたいですね。』


そう告げれば、森谷さんは一瞬だけ驚いた様子を見せる。



「−−−きっと会えますよ。」



それから彼はニコリと笑った。

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設定タグ:赤井秀一 , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:ミステリー
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作者名:ナツメ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年12月13日 11時

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