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蘭先輩は秋庭さんの水筒を持って警察に行き、園子先輩と秋庭さん.....そして探偵団のみんなは、大分落ち着いた様子の元太君を近くの病院に連れて行くことになった。一方の私はというと。
「お姉さん、元太君大丈夫かな?」
「すごく、辛そうだった。」
「元太君、可哀想」
残された子供達の声に、笑顔を向ける。先程の騒動に驚きそわそわと落ち着かない子、涙を浮かべている子などを宥めながら音楽室の後片付けをしていた。
元太君の付き添いに大勢はいらないこと、またこの残された一年生達をどうするのかという話しになった際に、その子達の面倒を見る役を買って出たのだ。元太君の状態は気にはなるので、今夜のイブニングパーティの際に園子先輩から直接聞くことになっている。
『応急処置もしたし自分でも歩けていたからね、きっと大丈夫だよ。後はお医者さんに任せよう?』
「.........うん。」
子供達の頭を撫でながらバイオリンを取り出すと、校歌のメロディーを奏でる。わーっ!と歓声が上がった。
『みなぎる力で、試そう勇気を......だよね?きっと元太君、今頑張ってるところだよ。だから、そんな顔しないで?』
私がバイオリンを弾いて帝丹小校歌の伴奏をするから、一度だけみんなで歌おうかと提案する。それを歌ったらみんなで帰ろうね、と。子供達はバイオリンの伴奏に興味を惹かれたのだろう、はーい!と元気良く返事をしてくれた。可愛い。
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