検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:77,516 hit

ページ21

『−−−そうじゃなくて。付き合ってる訳じゃないのに、こんなに快斗君を独占して良いのかなって。彼女さんに申し訳ない、というか。』


「−−−彼女?」


はて、と眉間に皺を寄せる彼に首を傾げる。


『−−−快斗君の話しによく出てくる青子先輩。快斗君の彼女さんじゃないの?』




そう言えば、彼は口元を酷く歪めてブンブンと首を横に振った。


「−−−あいつは只の幼馴染だって。」


『............へぇ。』


その返事の感じだと全然信じてないだろー、と快斗君に睨まれたため、素直に頷く。幼馴染との焦れったい恋愛なんて素敵だねと伝えれば、快斗君に、ははーんと笑われた。


「もしかして嫉妬か?Aちゃんは友達じゃなく、俺の恋人になりたかったのかな?」


『−−−ん?』



「................。おい。ここは突っ込むか、笑い飛ばすかするところだぜ。」



『............あ、あー......そうだね、ある意味では嫉妬なのかな。好きな人と一緒にいられる快斗君が羨ましいのかも。』


「いや、だからねAちゃん。青子はそういう好きじゃなくて−−−」


『−−−だとしても、だよ。恋愛要素を抜きにしてもさ、快斗君にとって大事な人であることには変わりないでしょ?』


「...........まー。そうだな。」



『......でしょ。』



私は会いたくても、それを望んだところで叶わないからと呟けば、快斗君は大きく目を見開く。それって......と言葉を途切らせる快斗君に微笑めば、ホテル近くの楽器店の看板を指し示した。



『−−−少しだけ、寄っても良いかな。買いたい楽譜があるの。』


少しだけ弾んだ声でそう言えば、快斗君は気を取り直してくれたのか、勿論良いぜと言って笑ってくれた。









堂本記念公演のリハーサル当日。私と千秋は学校帰りに落ち合った後、会場へと向かった。ホールの入り口には既に少年探偵団の子供が集まっている。


「あ、Aお姉さんだ!こんにちは!」


『こんにちは、歩美ちゃん。みんなも。』


微笑み返せば、子供達の中で一番体格の良い彼が首を傾げている。



「−−−なぁ、この姉ちゃん誰だ?」


「元太君、知らないんですか?この方は青柳千秋さん。彼女もAさんと同じく日本を代表する高校生バイオリニストですよ!」

▼→←頂への誘い



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
61人がお気に入り
設定タグ:赤井秀一 , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:ミステリー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ナツメ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年12月13日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。