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だからこそ、メヌエットを教えてくれるダンスの家庭教師は引っ張りだこだ。公式非公式に関わらずにメヌエットの曲が飛ぶように売れ、使われていく。当然、ここぞとばかりに無名有名問わず様々な作曲家達が沢山のメヌエットの曲を世に出していった。






「ーーーーなんだか、華やかというより」

『血みどろな文化ですね。』


私達の感想に河辺さんは笑った。


「−−−−奏子、そろそろ良いか?隣の練習室1をおさえている。」


教室を覗いてきたのは二人の男性だった。
ピアニストの連城岳彦さん、チェリストの水口洋介さん。どちらもプロの音楽家だ。


対する河辺さんはあまり気が進まないのか、眉間に皺を寄せていた。


「何度も言ってるじゃない。貴方達とは音楽性が違う。トリオは私じゃなく、他の子を誘うべきだわ。」

「分かってる。けど、一度くらい俺たちのデュオを聴いてくれても良いだろ?それから判断すれば良い。」


「貴方達のカルテットはどうするの?志田君や曽根君だっているでしょ。」


「二人とも副職が軌道に乗り始めたせいか、集まりが悪いんだ。それに譜和先生が言ったんだぜ?お前を誘ってみたらどうかって。」


「−−−−譜和先生が?」


河辺さんは暫く悩んでいたようだけれど、溜息をついて頷いた。

「彼が言うなら仕方ないわ。一度だけよ。それでダメだったら諦めてちょうだい。」


あぁ、と二人の男が頷いた。
それから私達に視線を向けてくる。




「お、女子高生かー!可愛いな。名前は?」


私と千秋はいきなりふられたことに戸惑いながらも名前を告げた。二人から、おおっと声が上がる。どうやら私のことも千秋のことも知っていたらしい。


「良ければ君達も聴きに来ないか?そんなに時間は取らせないからさ。若い子達の忌憚ない意見を聞きたい。」


「ちょっと、水口くん。連城くん。この子達を巻き込まないで。」

「なんだよ、相変わらず奏子はかたいなー!別にとって食うわけじゃないんだから良いだろ。」


「日頃の貴方達の行いが悪すぎるのよ。良い?未成年に手を出したら犯罪だからね!それに、この子達だって忙しいんだから。私だけで我慢しなさい。」


河辺さんに背中で庇われながら、彼女に後ろ手で出て行くようジェスチャーをされる。私と千秋はお互いに顔を見合わせると、私達これから用事があるのでと言ってそそくさと退室することになった。

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設定タグ:赤井秀一 , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:ミステリー
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作者名:ナツメ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年12月9日 22時

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