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沖田さんのニタリ笑いにピクピク顔を引きつらせながら、銀さんは口を開く。
「“も”って何?この間のは違うから!あれ、ただの依頼だっただけだから!つーか沖田くん、これ少年誌ね。新八代表とするチェリーボーイたちが読む健全なものだから!」
「ちょっとォォ!!今僕の話必要ないでしょ!?」
僕は一通り叫んでから、土方さんに頭を下げた。
「Aちゃんを真選組で保護してくださって、本当にありがとうございました。僕たち、Aちゃんも誘拐されたかもって思ってたんです。近ごろ何かと物騒ですし…」
土方さんはタバコの煙を一つ吐くと、そのまま火を消した。
「いや、お礼なんざ必要ねェよ。それも俺たちの仕事だ。」
土方さんはしゃがんで、未だに土方さんの近くにいる#Aちゃんの頭を撫でた。あの土方さんでも、こんな優しい顔をするなんて…と僕は信じられない気持ちでいっぱいだった。
「ところで気になっていたンですが、Aちゃんの腰に下げているちっちゃな木刀って…」
「悪ィ。たぶんコイツに変な興味持たせちまったらしい。百パーセント総悟のせいだが。」
『マヨ、マヨ!』
Aちゃんが土方さんに抱っこをせがんでいるらしく、両手を土方さんに向けている。土方さんはため息をつきながらも彼女を抱き上げて片腕に乗せた。Aちゃんは、そこがお気に入りなのか、キャッキャッと嬉しそうに笑う。
「ちょっとちょっと、うちの子勝手に抱かないでくれる?テメェのマヨヤニに侵されて大変なことになったらどうしてくれんの?」
「ーーーああん?」
銀さんがAちゃんを土方さんから奪い取ってゆっくりと後ろを振り返り、もと来た道を引き替えしていった。
「銀ちゃん、どこ行くネ?」
僕や土方さんが神楽ちゃんの不安げな声で銀さんに注目する。銀さんは一瞬立ち止まると、その状態のままため息をはいて頭をガシガシとかいた。
「新八、神楽…ついでに定春。見つかったし、万事屋に帰っぞ!Aもはしゃぎすぎておネムみたいだしな。」
見ると、確かにAちゃんは瞼を擦り始めている。
「オイ、待て!まだAのこと―――」
「あ、土方さん。確か今日五時から【結婚できないはぐれ刑事 純情にほえやがれ】 二時間スペシャルが始まりやすぜ。」
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