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「トシ!!Aちゃん泣かせちゃダメじゃねーか。俺んとこに泣き付いてきたぞ!“義を見てせざるは勇無きなり”と言うだろ?。」
「アレは悪かったとは思うが一つ良いか。それ使い方違くね?アンタ、意味分かって言ってんのか?」
俺は近藤さんに抱き上げられながらベソをかいているAと近藤さんを一瞥する。近藤さんはハハハとごまかすように笑いながらそのまま腰を降ろした。意味知らなかったのかよ!と内心そうツっこみながらも俺はため息をつく。
「近藤さん、Aのことなんだが。コイツ、本当に二才児か?さっきメモ紙にコイツが書いた」
俺が紙をとる前に、総悟が机の上で散乱していた紙のうちの一枚を手に取ると、それをじぃっと見つめた。
「Aが描いたってのはこれですかィ?二才児にしては巧いですぜ。近藤さん見ます?」
俺は総悟が予想に反して普通の反応を示したことに驚いた。確かに、二才児にしては字は巧いが、その前に書かれた内容に驚くだろ、フツー。総悟の手から近藤さんの手へとその紙が渡る。
「どれ…おーー!!Aちゃんが描いたのか?巧いな!寺子屋生が描いたって言ってもわからんぞ。それにしても、“マヨネーズ”たぁ、まるでトシみたいだな。懐かれてんなートシ!昨日はどうなるやと思ったが、良かった良かった。」
マヨネーズの言葉に俺は訝しげに思いながらも近藤さんが持っている紙を覗いた。それは紛れも無く、先程"俺が"描いたマヨネーズ。
「ってオイィィィィ!!!そっちは俺が描いたやつなんですけど!!つーか、なんでそれが寺子屋生レベルなんだよ!?絵書き屋も驚くスーパーマヨネーズじゃねェーか!!Aのはこっちだ、こっち!この二枚!!」
俺は二人にそれぞれ一枚ずつ先程の紙を渡した。
「土方さん、この始末書間違ってやすぜ。あの時は攘夷浪士はいなかったでさァ、むしろ土方さんを亡き者」
「んなこと上に報告できるわけねぇだろ!!テメェいい加減にしろよ。大体その修理費出させるにはこの理由が一番なんだよ!」
「マヨネーズの絵のような偽装工作感謝しまさァ。」
「下手だってか?なめてんのか、コラ。」
「近藤さんはどう思います?」
総悟が何食わぬ顔で近藤さんに話しをふったので、俺も思わずそっちを見た。
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