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「そーか、そーか!お嬢ちゃんはAちゃんって言うのか!!」
「…総悟、あれはどういうことだ?」
「近藤さんをゴリラとでも思ったんじゃないですか?」
「あーゴリラな。すると何か?俺らはゴリラ以下か?」
「違いまさァ、土方さんだけですぜ。俺はあのガキ、ちゃんと手なずけやしたから。」
そういうと総悟は何食わぬ顔でガキに触れる。しーーんと静まり返る廊下は、何も起こらなかったことを示していた。
『そ、ご!そ、ご!』
「ほら、トシ!電気なんて流れないじゃねェーか。いやーそれにしても総悟良いなー、もうAちゃんから名前呼んでもらったのか?」
総悟が真顔でピースをしてくる。何アイツのどや顔、めちゃくちゃ腹たつんですけど。誰がここまで連れてきてやったと思ってるんだ。
「お前、Aって言うんですかィ?この人は近藤さん又はゴリラでィ。」
『こん……ら――ゴリ!』
「エェエエ!!Aちゃん、今近藤って言うとこだったよね!?なんでゴリって言っちゃったのォォ!?」
『ゴリ…ゴリ!』
Aはキャーキャーはしゃぎながら近藤さんのひげをいじくり始めていた。痛い痛いと苦笑しながらも、近藤さんが止めさせないところを見る限り、満更でもなさそうだ。
「Aは近藤さんの髭が相当気に入ったみたいですねェー。どうですか?Aの親が見つかるまで屯所で世話するってェーのは。」
「総悟の言う通りだ。Aちゃんは親が見つかるまでここにいるといい!!俺たちゃ、歓迎するぜ!」
「…ちょっと待ってくれ、近藤さん。仮にもここは真選組の屯所だぜ?ガキなんて世話する余裕なんて…」
「…なんだ、トシは不満なのか?」
「…不満つーかよ。」
「プフー、土方さんだけAに嫌われてるからいじけてやらァー。大人気ないですぜ?」
「テメェは黙ってろ!」
「まぁまぁ、トシ、江戸の住民を守るのがオレたちの仕事だ。Aちゃんも江戸の住民。それを保護するのは悪いとは思わんがな。」
「だけど、近藤さん!」
「いいじゃねーか、Aちゃんに日頃の疲れを癒してもらうッつーのもよ。ほら、Aちゃん可愛いぞ!」
そう言いながら、近藤さんがAをこちらに向けてくる。総悟が近藤さんの後ろでニヤついているのがわかった。アイツ、マジ斬ろうかな。覚えてろよ総悟のヤロー。
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