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―――……

「ったく、山崎のヤロー…マヨネーズの買い置き位しとけってんだ!」


俺は歩きながら、マヨネーズがびっしりと入ったレジ袋を見やる。屯所の冷蔵庫を開けたら、マヨネーズが一つも無かったため非番の俺が急遽買いに行くことになったんだが……やっぱ納得いかねェー。

「チッ…山崎のヤロー使えねェー…………………あ?」

イライラしながらちょうど公園に差し掛かった時、見知った制服を身に纏い見知った髪型をした奴の背中が砂場に見えた。あの憎たらしい風貌は…見覚えがある所ではない。毎日不本意ながら嫌々見ている面(ツラ)だ。砂場に近づくにつれて俺の口元が自然とヒクついていくのはもはや反射ということにしておく。俺の頭痛の原因が自分のせいだっていうことを知らないのか……嫌、違うな。分かってる。絶対分かってやがる。分かっててバズーカで毎度毎度命を狙ってきている。コイツはそういう奴だ。

そいつの背中が目と鼻の先ぐらいになった時、俺は思いきり息を吸い込んだ。


「くォォら!!総悟!オマエ何やってんのォォ!!?」


叫ぶと同時、総悟はそのままため息をはいて俺に向き直った。

「なんだ、そのため息はよ。ため息つきてーのはこっちだコラ。」

総悟はまさに予想していた通りのふてぶてしい顔をしていた。


「土方さん、見て分かりやせんか?砂場遊びですよ。ガキの頃よくやりましたでしょ?」


確かに総悟の間から見て、砂の城だというのは分かる。


…つーか、コイツ無駄にうめェーな―――って違う違う!!


どや顔を惜し気もなく作る総悟の顔にイラついて、ぶん殴ろうとしたものの、奴はいとも簡単に避けやがった。
空をきった俺の拳はストレスを発散させることなく、それを無理矢理押さえ込むように握りしめる。


「俺は、んなこと聞いてるんじゃねェー!総悟、テメッ何さぼってやがる!!!オマエは今日非番じゃねーだろーがっ!」


「いやですぜィ、土方さん。迷子の世話も立派な仕事でさぁー。」


「は………迷子?」


見ると確かに総悟の向かい側にガキが一人座っている。どうも総悟に隠れて見えなかったらしい。
迷子と言うと……正直面倒くさいというイメージでしかない。見たところ、二、三才ってところだろうか。

「……オイ、ガキ。自分の名前と住所くらいは言えんだろ?」


「土方さん、そんな瞳孔開いた目ェして睨んだら言えるもんも言えませんぜ?」


「テメェーは黙ってろ!」

総悟に怒鳴る。それに驚いたのだろうか。

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , ジャンプ   
作品ジャンル:SF
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作者名:ナツメ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年12月2日 15時

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