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「銀さん…これは…」
そのカプセルにはあちらこちらに血が付着していた。そしてカプセルの中には成人には小さすぎる足枷と思われるもの。そしてAちゃんが着ていたはずの着物の柄の切れ端が残っていた。
「………胸クソ悪ィ。」
銀さんは眉を寄せてそう呟くと、そのまま次へと続く扉へと向かった。
「神楽ちゃん、僕たちも行こう。」
カプセルを見ながら今だに動こうとしない神楽ちゃんに声をかけた。気持ちはわかるけど、今はAちゃんを見つけることの方が大事だ。
「…分かってるアル。定春行くヨ!」
神楽ちゃんもそれは分かっているようで、一度瞼を腕で擦るといつもどおりの表情で定春に跨がった。
―――――――…
「――なぁんてね、冗談ですよ。真撰組監察の山崎退さん。」
副長だと思って流した冷や汗はすぐにひき、すぐに倉庫の入口をバッと振り返った。その際にAを後ろ背に庇うのを忘れない。
倉庫の扉に寄り掛かり、暇つぶしとばかりに刀を弄んでいるサングラスをかけた青年。流れるばかりの長い黒髪から女とも一瞬考えたが、監察という職業上の鋭いと自負する観察力によってすぐに男だと認識し直した。
その青年が持つ刀を見遣ると、血液と思われるものがベットリとついているのが分かる。それを確認した瞬間、山崎はスーと目を細める。Aを庇う腕に力がこもった。
シャラン
シャラン
どこからか鈴の音が聞こえた。
「アンタは一体何者なんだ.......もしかして、あの組織の......」
山崎の声に青年はクスリと笑みをこぼすだけ。刀を構える青年に山崎は冷や汗を流した。
「…そこの子猫ちゃんを渡してください。」
ようやく口を開いた青年が山崎の背後にいるAへと視線をむける。狙いが彼女だとすぐに理解した山崎はズルズルとA共々後ずさった。
「悪いけど、渡せと言われて渡すわけにはいかない。この子は旦那たちにとっても俺たち真撰組にとっても大切な子だから!」
山崎の言葉に今まで比較的穏やかだった青年の表情が怒りへと目に見えて変化した。
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早桃 - めっっっちゃ好きです、、、。これは神作品に出会ってしまったぞ!続きが気になりすぎますゥ゛ゥ゛ゥ゛! (2022年4月5日 23時) (レス) @page31 id: 636f4996a9 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - ナツメさん» よろしくです!! (2020年6月11日 7時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
ナツメ(プロフ) - printemps(プランタン)さん» プランタン様、コメントありがとうございます!更新を喜んでいただいて嬉しいです。今後ともよろしくお願いします!! (2020年6月11日 2時) (レス) id: a56d032004 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - わーい!更新されてら (2020年6月9日 9時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
ナツメ(プロフ) - 常夏さん» 常夏様、返信が遅くなり申し訳ありませんでした。コメント、ありがとうございます!!今回漸く更新しました。スローで申し訳ありませんが、頑張って今後も更新できればと思います^_^ (2020年6月9日 4時) (レス) id: a56d032004 (このIDを非表示/違反報告)
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