天才バイオリニストJKがコナンの世界に転移したらvol.4【赤井秀一】【安室透】【名探偵コナン】 (ページ3)

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彼は長い沈黙の後に私の両肩をゆるりと離せば、視線と視線が交じり合う。彼の透き通るようなエメラルドに、困惑の色が僅かに滲んでいた。

「..........スキンシップはこれでも取ってる方だと思うが。」

『違うの。もっと、大人のやつを.......私に、教えて欲しい。』

「......大人のやつ？」

『......うん。お願い、秀一さん。男の人は例え相手のことが好きじゃなくても、そういう事、できるんでしょ？』

「……そういう問題じゃない。君は日本の法律を知っているか？」

『………児童福祉法34条と、青少年育成保護条例のことを言ってるの？』

「............知ってるんだな。」

『.............え？』

秀一さんは徐に左手を私の額に押し当ててくる。熱は、ないなと言う彼の落ち着いた声色が聞こえた。それから秀一さんは大きな溜息をつくと、あっという間に私の背に片手を回して横抱きにする。突然の浮遊感に慌てて彼の首元に抱きつけば、静かに傍のベッドに降ろされた。

「…君は、俺を犯罪者にしたいのか？」

違う、と暗に彼は言わせようとする。エメラルドの瞳が、先程の私の発言の真意を探っていた。

怒っただろうか？

『あの……ごめんなさい。さっき、実父から愛された子の方が恋愛上手…的なことを、ちょっと聞いちゃって…それで…』

秀一さんが視線で続きを促してくる。

『父親に愛されたことがなかった私は…ちゃんと恋愛…できるのかな？って思ったら、すこし不安…というより寂しくなったのかも…』

秀一さんが大きく目を見開いた。それから、彼に上掛けを整えられて、頭を優しく撫でられる。

「君がそういう事を気にするとは、珍しいな。」

『……そうかな。思春期突入って感じ？』

「どうだろうな……とにかく今夜はこのまま寝た方が良い。随分と君は疲れているようだ。」

胸元で規則正しく刻むリズムに、徐々に瞼が重くなっていく。最後に見えた秀一さんの表情は－－－先程の戸惑いが綺麗に無くなりどこか安堵した様子を見せていた。