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揺れるサラバンド ページ1

ホテルに戻る前に、少しだけ遅い夕飯を食べにsundayrinoに単身で寄ることにした。
ホテルまで送る、と最後まで粘ってくれた快斗君だったけれど、私を狙っていた人物が譜和さんであることがわかり、彼が逮捕された今、ボディーガードも必要ないだろうと無理矢理納得させたのだった。


「ーーーー此方のカウンター席にどうぞ。」


席に着き、料理を選んでいる中でふと背後に位置したテーブル席の話し声が耳に入る。二人組の女性だ。




「カナコ、幸せそうだったね。」


「良い式だったよね。カナパパが男泣きした時さ、思わずもらい泣きしちゃった。」


「そりゃ泣くっしょ。男手一つで育てた一人娘が嫁ぐんだから。」



どうやら披露宴に出席した女性達が、飲み直しているらしい。ドレスを身に纏った彼女達は陽気に笑っている。



「いや、まさかカナコとアツシが結婚するとはね。私はてっきり.....。」


「まー、何が起こるか分からないのが人生ってもんでしょ。あー!私も早く結婚したーい!!」


「はいはい。まずは彼氏を見つけようね。」


「くっそー!!今度こそは絶対に良い男見つけてやるぅぅ!!」


そう叫んだ彼女に彼女の友人が笑った。







「ーーーー知ってる?父親の存在が、実は恋愛に大きな影響を与えているらしいよ。」


彼女の言葉が聞こえた瞬間に、思わずメニューを眺める手を止める。なになに、どういう事?と好奇な声色が背後から襲ってきた。


「幼い頃、実父からのスキンシップが多かった女の子の方が良い男を見つけやすいんだってさ。」


えー、なんでなんでとブーイングが湧き起こった。


「さぁ。本当に愛されてるっていう感覚を、その身をもって学習するからじゃない?一種の判断基準が出来るっていうか。」


本当かどうかは知らないけどね、と同時に笑い声が漂い流れる。









『........父親、か。』


ポツリと呟いた言葉は誰に聞かれる事もなく、店内のBGMに紛れて霧散した。

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設定タグ:赤井秀一 , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:ミステリー
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野舞 - リア友がこの作品を見たみたいで、私にいい作品だから見てみてって言われて見てみました!すっごく内容も設定も凄く良かったです! (2020年7月20日 20時) (レス) id: 3982121288 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナツメ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年12月20日 19時

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