超推理 ページ34
「(乱歩さんの異能……『事件の真相が判る能力』本当にそんな物があるのか……！？)」
乱歩は眼鏡を掛けた
ー『超推理』ー
乱歩の纏う空気が変わった
乱歩は数秒間黙ると「な・る・ほ・ど」と云った
「犯人が判ったのか」
「勿論」
「くくっ どんな牽強付会が出るやら……犯人は誰だ？」
乱歩は指を指し
「犯人は君だ」
そう云い指を指した先には
杉本巡査が居た
「はー？」
「くっ……」
箕浦は大笑いし出した
「おいおい 貴様の力とは笑いを取る能力か？杉本巡査は警官で俺の部下だぞ！」
「杉本巡査が 彼女を 殺した」
「莫迦を云え！大体こんな近くに都合良く犯人が居るなど……」
「犯人だからこそ 捜査現場に居たがる」
「それに云わなかったっけ？『どこに証拠があるかも判る』って」
そう云うと乱歩は杉本に
「拳銃貸して」
と云った
「 ば 莫迦云わないで下さい 一般人に官給の拳銃を渡したりしたら減俸じゃ済みませんよ！」
「その通りだ 何を言いだすかと思えば……探偵って奴は口先だけの阿呆なのか？」
「その銃を調べて何も出なければ 僕は口先だけの阿呆ってことになる」
「……ふん 貴様の舌先三寸はもう沢山だ」
箕浦はそう云い杉本に云った
「杉本見せてやれ」
「え？ で ですが」
「ここまで吠えたんだ 納得すれば大人しく帰るだろう これ以上時間を無駄にはできん 銃を渡してやれ」
しかしなかなか動こうとしない杉本
「おい どうした」
「いくらこの街でも素人が銃弾を補充するのは容易じゃない 官給品の銃であれば尚更」
「…………ッ」
「何を……黙っている杉本」
「彼は考えている最中だよ」
ー減った三発分の銃弾についてどう言い訳するかをねー
「オイ杉本！お前が犯人の筈がない だから早く銃を渡せ！」
杉本は拳銃に手をかけた
「マズい」
太宰がそう呟く
「「！」」
杉本は近くにいたAに拳銃を向けた
「…」
「う 動かないで下さい 撃ちますよ！？」
しかしAは杉本の言葉を無視し脚に手を掛ける
「Aちゃん！」
「本当に撃ちますよ！？」
杉本が引き金を引こうとした時
パァン
杉本の拳銃ではなく名前の拳銃から発砲音がし 杉本の拳銃が宙を舞った
「…それは人殺しの玩具じゃありません」
Aは切なそうな声で云った
すると太宰は敦を押した
「行け敦君！」
「え！？」
敦が杉本を取り押さえた
「お やるねえ」
「放せ！僕は関係ない！」
「…関係ない？」
Aの瞳から光が消えた
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作者名：aurora | 作成日時：2019年3月10日 22時
