襲撃 ページ30
敦が扉を開けると国木田が広津を投げているところであった
辺りを見回すと賢治の下には銀 立原 黒服達の伸びた姿
談笑する与謝野と乱歩
欠伸をするA
「おお 帰ったか」
平然と広津の手をあらぬ方向に曲げる国木田
「勝手に居なくなる奴があるか 見ての通りの散らかり様だ 片付け手伝え」
ゴキッという音と共に敦に説教を始める国木田
「国木田さーん こいつらどうします?」
「窓から棄てとけ」
「重いです…」
賢治とAに指示を出す国木田
「これだから襲撃は厭なのだ 備品の始末に再購入 どうせ階下から苦情も来る 業務予定がまた狂う」
「しかしまあこの程度 いつものことだがな」
国木田の言葉 窓から棄てる賢治 与謝野を見て
「(……マ マフィアより 探偵社のほうが ぶっちぎりで物騒じゃん……)」
「国木田くーん 僕そろそろ"名探偵"の仕事に行かないと」
「名探偵? ああ 例の殺人事件の応援ですか」
「そう」
乱歩は机に登りながら云う
「警察がね 世界最高の能力をもつこの名探偵 乱歩さんの助言が欲しいって」
「泣きついてきてさ」
「こいつらに手伝わせます」
ぽかんとしている敦 散らばった破片を集めていたAが指名される
「おい 呆けてないで 準備しろ 仕事は山積みだ」
敦の肩に手を置く国木田
「小娘 お前もだ」
「私も…ですか?」
「太宰も探して連れてけ どうせその辺の川を流れてる」
「そんな… 敦君手伝ってくれる?私 太宰さん探せるじー」
「は ……はは」
「敦君…?」
敦の瞳から涙が零れる
「あ?何だお前 泣いてるのか?」
「泣いてません」
「泣いてないのか」
「泣いてません」
「泣いてるのか?」
「泣いてます!」
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作者名:aurora | 作成日時:2019年3月10日 22時