依頼 ページ21
6人は探偵社に移動 すると探偵社には黄色の髪をした綺麗な女性が座って居た
「…………」
「……あの」
「えーと 調査のご依頼だとか それで……」
「美しい……」
そう云うと太宰は女性の手を取った
「睡蓮の花のごとき果敢なくそして可憐なお嬢さんだ」
「へっ!?」
「どうか私と心中していただけないだろー」
太宰の頭に国木田の拳が入る
「なななな」
女性は混乱した様な顔をする
「あ 済みません 忘れて下さい」
国木田は太宰を引き摺り奥の部屋へ移動した
太宰に関しては懲りずにちょっとだけでいいから〜などと云っていた
「それで 依頼と云うのはですね 我が社のビルヂングの裏手に……最近善からぬ輩が屯している様なんです」
女性は動じずに再開した
「(普通に再開した……変人慣れしてンのかな)」
と谷崎は考えた
「善からぬ輩ッていうと?」
「分かりません ですが襤褸をまとって日陰を歩き聞き慣れない異国語を話す者もいるとか」
「そいつは密輸業者だろう」
国木田が奥の部屋から出て来た
「軍警がいくら取り締まっても船蟲のように湧いてくる 港湾都市の宿業だな」
「ええ 無法の輩だという証拠さえあれば軍警に掛け合えます ですから」
「現場を張って証拠を掴めか……」
国木田が敦とAを見る
「小僧小娘 お前等が行け」
「へッ!?」「え!?」
「ただ見張るだけだ それに密輸業者は無法者だが大抵は逃げ足だけが取り得の無害な連中ー初仕事には丁度良い」
「でっでも」「ええ…」
「谷崎 一緒に行ってやれ」
「兄様が行くならナオミも随いて行きますわぁ」
ナオミはギギギと谷崎を抱き締めた
「おい小僧小娘 不運かつ不幸なお前等の短い人生に些かの同情が無いでもない」
「故に この街で生き残るコツを一つだけ教えてやる」
国木田はそう云いながら一枚の写真を取り出した
「こいつには遭うな 遭ったら逃げろ」
写真には目付きの鋭い男性が写っていた
「この人はー?」「誰ですか?」
「マフィアだよ」
何処からか太宰が現れた
「尤も 他に呼びようがないからそう読んでるだけだけどね」
「港を縄張りにする兇悪なポート・マフィアの狗だ」
「ポート・マフィア…」
「名は芥川 マフィア自体が黒社会の暗部のさらに陰のような危険な連中だが その男は探偵社でも手に負えん」
「何故ー危険なのですか?」
「そいつが能力者だからだ 殺戮に特化した頗る残念な能力で軍警でも手に負えん 俺でもー」
ー奴と戦うのは御免だー
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作者名:aurora | 作成日時:2019年3月10日 22時