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人生塞翁が虎 ページ3

夕焼けに照らされた川沿いを歩く一人の少女

「綺麗…私とは違う」

少女の容姿は人とは思えない程儚く美しかった

そんな少女が何故自分とは違うと云っているのか

理解できるのは只一人の男だけであった

「逢いたい 何処にいるの?」

何時逢えるの?
何処で逢えるの?
お願い 応えて…

そんな少女の願いは届かない

そんな少女を見つめる少年が一人

名を中島敦

「(綺麗な人だ… でも、生きる為だ 彼の人から金品を奪う そして僕は生きる!)」

「おい!あな… お前!」

「何ですか?」

敦は狼狽えた 近づくと更に少女が美しかったからだ
そう まるで少女は聖女のような儚く美しい雰囲気を纏っていた

「金品を」

ぐううううう

敦の腹が盛大になった

「…お腹 空いてるんですか?」

「…実はここ数日何も食べてなくて」

「…手を」

「はい?」

「手を出してください」

少女は敦の手を握り何かを呟いた

すると 不思議なことに敦の空腹感が無くなった

「ええ!?何をしたんですか!?」

「ちょっとした魔法…ですかね?」

くすくすと笑う少女に敦は見惚れてしまった

「ああ ありがとうございます!僕の名前は中島敦です!貴女のお名前は?」

「東野 東野Aです よろしくお願いします」

「よろしくお願いします!それと敬語なんてやめてください!僕の事は敦と呼んでください!」

「ありがとう 敦君も私のことはAと呼んで」

「ええ!?でも、きっと僕の方が歳が…」

「多分近いと思うんだけど…私は18歳」

「そ そうなんだ!じゃあ同い年だ!ならAちゃんって呼ばせてもらうね!」

敦は考えた

てっきり歳上だと思ってた

「敦君は何故此処へ?」

「え?ああ はは 情けない話だからな…」

敦の瞳が悲しそうに揺れた

「敦君… 敦君 敦君!あ あれ!」

「…どうしたの?」

Aが指を指した先には川を犬神家宜しく人が足だけを出して流れていた

「た 助けないと!」

「ええ!?」

「ええい!」

ドボンと敦は川に飛び込んでいった

「敦君!!」

川の男→←主人公



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作者名:aurora | 作成日時:2019年3月10日 22時

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