【文スト】salvation of a saint Ⅱ (ページ23)

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天使と子供ページ23

貨物列車

A ナオミ春野の三人は春野が先刻ぶつかった子供と共に座って居た

「貴方お名前は？」

ナオミが子供に尋ねる

「ぼくの名前は夢野久作！」

無邪気に笑う久作

「私は谷崎ナオミですわこちらの眼鏡をかけた方が春野綺羅子さんそしてこちらの方が東野Aさんですわ」

ナオミが自己紹介をした

「久作君はお一人なんですか？」

Aが久作に尋ねた

「うん！でもぼくこの後とても楽しい事が待ってるんだ！もう待ちきれないんだ☆早く駅に着かないかな！」

子供らしい笑顔を浮かべ無邪気に話す久作を見て Aは思わず頭を撫でた

驚く久作そんな久作の顔を見てAは

「あ…厭だった？」

と不安そうに尋ねた

「ううん…ぼくこんなにも温かい手は初めて」

久作はとても嬉しそうな表情を浮かべた

Aは久作の表情にほっと胸を撫で下ろした

「もっとやって…」

今度はAが驚いたがお強請りをする久作を見てAは微笑みさらに頭を撫で続けた

その姿はまるで天使の様であった

そんな二人の様子にナオミと春野は和かに見つめていた

駅

太宰は敦の元を一人離れていた

その後を追っている者が居た

黒蜥蜴の銀であった

「此処なら人目も無い出てきたら？」

「！」

太宰は尾行に気づいていた

銀は驚き太宰の喉元へ刃を向けた

「やあ銀ちゃんか背伸びたね」

「監視はお見通しという訳ですか」

背後からは銃を構えた樋口が出てきた

「生憎マフィアの監視術を創始したのは私だからねで用件は？」

太宰が振り向き樋口に尋ねる

「この銃が用件とは思いませんか？」

銃口を改めて向ける樋口

太宰は薄く笑った

「思わないね暗殺部隊にしては人選が半端だ」

太宰は続ける

「第一…… 私の暗殺なら希望者殺到で軍隊が出来るよてことで銀ちゃんも危ないからこれ下げてくれる？」

太宰は銀に刀を下ろすよう云った

「………」

銀の刀が下ろされる

樋口が溜息を吐いた

「……確かに用件は別です首領より伝言を言付かっています」

「へえ」

太宰は考える様な素振りをする

「森さんから？何かな脅迫か恨み言か殺人予告か…… 心当たりが多すぎて困るね」

樋口が口を開いた

「伝言はこうです」

"太宰君"

ーマフィアの幹部に戻る気はないかね？ー