【文スト】salvation of a saint Ⅱ (ページ21)

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神との比較ページ21

ラヴクラフトがある事に気づく

「奇妙な国……この季節に……雪が」

背後には国木田が立っていた

国木田の発砲音

「何！？」

ジョンの木の根が撃たれる

「ナオミ！逃げるンだ！」

「兄様！」

谷崎が車の木の根を切る

「五分後麓の鉄道を旅客列車が通る！十秒だけ止まる様に話を通してあるそれに飛び乗れ！Aちゃん！二人を頼ンだよ！」

三人は駆け出した

森を駆け抜けるA ナオミ春野

「Aさん何故出て来ましたの！？」

「乱歩さんの許可は取ってあります」

ニコリと笑うA

「危険ですのに…」

「もう待つだけは厭なんです」

Aの顔に影がさす

「…？」

ナオミはAに違和感を感じた

すると目の前には大きな列車があった

「列車……！あれですわ！」

三人は列車の目の前まで来ていたが

「きゃっ！」

春野が悲鳴をあげる脚には木の根が絡まっていた

「「春野さん！」」

すると木の根はナオミを捕らえた

「ナオミ！！」

列車が汽笛をあげる

「「(列車が……！)」」

一方国木田と谷崎はラヴクラフトに取り押さえられていた

「よし業務終了地元警察が来る前に撤収だ」

「くっ……」

「(完全に捕まッた…… これじゃ『細雪』で姿を消しても意味が無い！)」

「妹さん借りてくよ」

ジョンが谷崎に声をかける

「ナオミを……如何する気だ」

「担当じゃないから何ともまあ監禁か拷問か……」

「！」

国木田が叫ぶ

「そんな事が許されると思って居るのか！」

「これが仕事だよ君達みたいな道徳家には理解できないかな？」

「………道徳？」

ある一台の貨物車が近づいて来た

「(この状況を見られたら少し面倒かな？)」

「確かに探偵社には道徳観が在るでもボクにとってナオミは……違うンだ道徳とか悪モラルやエゴそう云うのより次元が上で較べられない」

谷崎の雰囲気が変わる

「(……？あの貨物車車線から外れてる？)」

「喩えるなら誰も神を何かと較べたりしないそうだろ？」

貨物車が近づく

「まさか…… 運転手にはこちらが道に見えているのか！？」

「それがナオミの為ならボクは喜んで世界を焼く」

貨物車が木に衝突衝撃で国木田と谷崎は飛ばされた

絡んだ木の根が落ちる

「樹の動きが……止まった？」

「春野さん！ナオミ！」

Aが二人に声をかける

Aとナオミは列車に飛び乗った

「春野さん！」「手を伸ばして下さい！」

二人は春野の手を掴み引き上げた

列車は走り去って行った