気に入ってるあの子 ページ4
レウクラウドside
「わり、トイレ」
「ん〜、外で待ってるね」
一緒に帰ってたきょーさんが、トイレに行く為に丁度そこにあったスーパーに走っていった。
ポッケに入れていた携帯を何気なく取り出して、なんか面白い事は無いかな、と白い鳥のアプリを開く。
「…最近、Aと会えてないな」
つつ、とスマホを弄っていた手を止め、不満を吐き出す。
去年同じクラスだった風見A。最初は天真爛漫で何を考えてるか全然分からないふわふわした子だった。今も大して印象は変わってない。優しくて、ふわふわした子。
多分、俺はあの子が好きなんだと思う。
こう、ただ恋愛漫画みたいな好きじゃなくて、もっとどろどろに煮詰めたような、どす黒い感情の塊の、好き。
彼女と出会ったのは教室でだけど、最初に話したのは保健室だった。
その時は新田…ペ神先生がとても煩かったっけな、今も煩わしいのに変わりは無いし、俺の"好き"をそれとなく邪魔してくるから彼はそんなに好きじゃない。
ああ、好きじゃない先生と言えば兄さん先生もだ。去年の担任で、よくAと楽しそうに話してたのが羨ましかったっけ。今年もAのクラスの担任だと聞いた時は狂ってどうにかなりそうだった。
その代わり一緒に帰ってたのも、昼飯を食ってたのも俺だけど、今は話す機会が無いのが悲しい。
彼女の事を考えていたからか、ふと視界に見覚えのある姿が過ぎる。
「…あれ、A?」
声を掛けると、それは幻じゃなくて。しっかり目が合って、彼女の柔い唇が動く。
「……あ、!」
やっぱり、悩み事は声に出すべきだ。
…
色々あって彼女の買い物に同行できる事になったのはとってもデカい。幸せを噛み締めながら、ささっとスマホを弄ってきょーさんにメッセージを送る。
レウごめん、先帰ってて
少し遅れてブブッとスマホに通知が来る。
きょーは?????????ええけど覚えとけよ
問題解決。
Aときょーさんは決して仲が悪い訳じゃない。何なら会ったことないと思う。
なら何故この機に知り合わせないのかと聞かれたら、ただの独占欲としか言いようがない。
ごめんねきょーさん、恋に犠牲は付き物なんだよ。
「…何買うの?俺カゴ持つよ」
「ほんと?ありがとう。…えっと、卵と…あと何がないんだっけ」
ああ、君は何も知らないままでいてね。
きっと、この事を話したら寂しそうな、悲しそうな顔をしてしまうから。
568人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハク - 軍パロとか見てみたい、、煮干し受け取ってくれたら嬉しいです、、、 (5月3日 7時) (レス) @page40 id: b87c231ef8 (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ポキ男さん» これからはniさんの受難が増えていきます…笑 コメントありがとうございます! (5月1日 21時) (レス) @page40 id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
ポキ男 - niさんの「ああ、、、アーメン、、」がすごい好き、、、 (2023年4月18日 4時) (レス) @page19 id: 9d80ea5bad (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ななさん» !!???!!ごめんなさい今気づきました…!!2つ試作していたのが片方非公開になってなかったみたいです。すみません、御指摘ありがとうございます! (2023年4月16日 10時) (レス) id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ユキさん» わ〜!嬉しいです!更新が遅いですが、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます! (2023年4月16日 10時) (レス) id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:社 | 作成日時:2022年9月4日 15時