幕間 ページ19
ちょっと疲れたので番外編。
曲パロ
「どんな事も、夢を見てるみたいなの」
「…映画のような完璧なお話が進んでいくの」
きらきら、ふわふわ、ぽかぽか。
ベッドの上で、あたたかいホットミルクの入ったマグを持ちながら、傍でリンゴを剥く兄さんにぽつりぽつりと話していく。
兄さんたちは、私に何か隠し事をしているの。
私はまだ、頭が弱いからそれが何なのか分からないけれど。
「…それが、不安?」
リンゴからは目を背けずに、兄さんは言う。
不安だよ。不安で、しかたない。
兄さんたちは、教えてくれないかもしれない。
小さく頷く。
それでも、兄さんたちとの関係は変わることなんてない。
それでも、いいけど。
…このまま、教えてくれないの、かな。
そんなの、いやだなあ。
兄さん達の
見せては、くれないの?
だいじょうぶかな?
心の中の私が心配そうに私に囁いてくる。
「…うん、だいじょうぶ、だよ。」
きっと。兄さんたちは教えてくれる。
…私が賢くなったら、大きくなったら。きっと必ず。
いやいや
全然だいじょばない。
「……兄さんたち、私に隠してること、あるでしょ。」
「…無いよ」
「うそ。絶対ある」
「ないから、Aはそんな事気にせんで大丈夫やから」
「そんな事ってなあに、全然大丈夫じゃないよ」
「しかも兄さん、手止まってる。」
今詰めないと、きっともうこんな機会、当分訪れない。食い下がれ。兄さんが折れるまで。
━━━━
「…Aが知っても、いい事なんてあらへん。」
つい止めてしまった手を再び動かし、リンゴの皮を剥く。
背中には嫌な汗をかいているが、それをさりげなく隠して。
あっちにもこっちにも秘密ばかり。俺らはいつ爆弾を爆発させるか分からないスリルに囲まれとる。
…すまんなぁ、A。こればっかりは、まだ教えられんのや。
子供騙しの脅しでも、つまみ食いを隠すための小さな秘密でもない。
大人の、ずるいずるい嘘。
Aはこれを知ったらきっと、壊れてしまうだろうから。
然し、Aがここまで突っ込んだ質問をしてくるのは始めてだ。
前までは「なんか、私に隠してることある?」とだけ聞いて、無いと答えれば「ふぅん、そっか」で終わり。
大丈夫だと、思っとったのに。
「…そういう事じゃない」
全然、大丈夫じゃない。
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ハク - 軍パロとか見てみたい、、煮干し受け取ってくれたら嬉しいです、、、 (5月3日 7時) (レス) @page40 id: b87c231ef8 (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ポキ男さん» これからはniさんの受難が増えていきます…笑 コメントありがとうございます! (5月1日 21時) (レス) @page40 id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
ポキ男 - niさんの「ああ、、、アーメン、、」がすごい好き、、、 (2023年4月18日 4時) (レス) @page19 id: 9d80ea5bad (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ななさん» !!???!!ごめんなさい今気づきました…!!2つ試作していたのが片方非公開になってなかったみたいです。すみません、御指摘ありがとうございます! (2023年4月16日 10時) (レス) id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ユキさん» わ〜!嬉しいです!更新が遅いですが、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます! (2023年4月16日 10時) (レス) id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:社 | 作成日時:2022年9月4日 15時