一緒にいたい【赤井秀一】

35. weather ページ43

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「久しぶりに来たわ、ニューヨーク」

Aは背伸びをした。


「ああ。この先の路地裏でジョディと待ち合わせてる。行くぞ」

「うん」

ゴロゴロ……

辺りは暗く、雷が鳴っている。


「ねえ赤井、一雨来そうよ」

「お前、雷苦手だったな」

「うん…」

ピカピカと空が激しく光った


「ひっ！やだやだ！」

すると…

ポツポツ……
ザーーーーー！！！！

「うわっ！大雨よっ」

ドーンと近くで雷が鳴っている。


「きゃあっ」

Aは雷が鳴る度に心臓バクバクである。Aは裏路地まで走るがジョディはまだ来てなかった。


「……仕方ない、ジョディもまだ来てないようだ」

バキバキと鳴り近くの木に雷が落ちた。


「赤井！怖い…っ」

「…！」

Aはあまりの怖さに、赤井に抱きついた。
すると赤井はAを抱きしめ返し、落ち着かせた

「大丈夫だ、俺がいる」

「うん…」

「だが、この雷は当分止みそうにない。このまま外にいるのは危険だ」

二人は大雨でずぶ濡れである。


「あの廃虚ビルでひと休みするしかないな。行くぞ、A」

「わかった！」

二人は廃虚ビルの中へ…
嵐のような大雨だ。

ドーン！！！


「ひっ…もう嫌っ！ジョディは？電話した方が…」

「……生憎、俺の携帯は防水じゃないんでな。そんなに故障はしてないと思うが…」

携帯を開くと画面が真っ暗だった。

「やはりな。もっといいやつを買えばよかったか」

「えっ！？……あ、私のは電池切れだわ」

「いや、多分お前のも壊れてるだろう」

「ええー…防水効果あるのに！まだ1年しか経ってないのよ、これ」

ジンに携帯をよこせと言われたとき、一度自分で壊したので、その後すぐに新しいのを購入していた。


「防水は完全に防げるものじゃない。普通の雨くらいなら多少は大丈夫だろうが、こうずぶ濡れではな」

Aの携帯は防水の効果があるが、この大雨でポケットの中までぐっしょり濡れており防水の効果がなかった。

「ツイてない…」

「幸い、電池パックまで濡れてない。電池を抜いて中を見てみろ」

「なにかあるの？」

Aは電池パックを抜く。

「そこに小さな穴があるだろう？ピンク色が見えないか？」

「うん、ピンク一色になってる」

小さな穴からはピンクが見えた。


「それは水濡れ反応を示している。それがピンクのドットならば水に濡れてない。一色ということは…水が侵入している」

「やっぱり濡れたことが原因なのね…」

「乾けばドットに戻る可能性もあるかもな。ちなみに俺のも同じ状況だ」

ハンカチもびしょ濡れで拭くことも出来ない。

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