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black.138 〃 ページ38

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織田は男達を睨んだ。

「「…っ!」」



「……失せろ」

「チッ、連れいたのかよ。行こうぜ」

「ああ」

男達は滑り去っていった。


「大丈夫か」

「え、はい…ありがとうございます。えっと……」

織田から離れ、身体を織田の方に向き直す。


「織田だ」

「織田さんですね。私は有森菜々です」

「そうか。こんなところで何してる?花火は19時からだろ」

「喉乾いたから何か買おうと思って…織田さんはもうタバコ吸ったんですか?」

「2本目を吸おうとしたところでお前がナンパされているところを見た。ほっとくわけにはいかなかった」

「本当に助かりました」

「いや、いいさ…」

と言って、織田は近くのベンチに座った。そしてAも。


「あの…」

「ん?」

「あのお嬢様は何をコナン君に話そうとしたんですか?」

「………」

やっぱ聞いちゃいけなかったかと思うくらい沈黙が続いた。


「……半年前、クレー射撃で使う銃の点検中にその銃が暴発したんだ。成田っていう俺の友人が死んでしまった」

「え…そんな…」

「それをあの女は、ドジな話だと言い子どもに話そうとした……嫌な気分になるのは当然だろう」

「成田さん、かわいそうに……お嬢様ひどいわ」

「フ…かわいそうか。あの女はそんなことこれっぽっちも思ってないだろう」

「織田さん……」

「あの女がお前みたいな性格ならまだいいんだが」

「え?」

「菜々、お前はなかなか優しい女だ」

フっと笑う織田。いきなり名前を呼び捨てされた。


「別に優しくなんか…」

「成田もあの世で喜んでくれているだろう。初対面のお前にそう言ってもらえて」

「………」

「さて、お喋りが過ぎたようだ。もう48分だぞ」

「あ、本当だ…」

Aは腕時計を見て立ち上がる。しかし織田はそのままベンチに座ったまま。


「織田さんは皆のところに行かないんですか?」

「ああ、俺は花火は興味ないんでね」

「えー綺麗なのに…」

「一緒に見る女でもいたら見るかもしれんがな」

「彼女いないんですか?素敵な人なのに」

「フ…素敵な人か……半年前までは居たさ…」

(それも半年前?)

「菜々姉ちゃーん!!」

するとコナンが心配してやってきた。


「あ、コナン君」

「なにしてるの?蘭姉ちゃんも園子姉ちゃんも心配してるよ!」

「ごめんなさい、織田さんと話してたの。今行くわ!それじゃあ織田さん、本当にありがとう」

「ああ、今度は助けてやれないぞ」

「もう大丈夫です!」

と笑ってAは返した。


(菜々…性格のいい女だった)

織田は再びタバコを吹かし始めた。

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touko(プロフ) - ゆかさん» 大好きと言って頂き恐縮です!ありがとうございます\(^o^)/ (2020年2月28日 0時) (レス) id: bc4bf8fc59 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - お話大好きです!楽しみに更新待ってます。 (2020年2月27日 22時) (レス) id: 44e2ced5af (このIDを非表示/違反報告)
touko(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます! (2020年2月5日 22時) (レス) id: bc4bf8fc59 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - こんには、お久しぶりです。ベルモットです。引き続き読ませて頂きました。 (2020年2月4日 20時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - お話読ませていただきました。とっても良かったです。続きを楽しみに待ってます。 (2019年8月29日 3時) (レス) id: 3e63791070 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kyoko. | 作成日時:2019年5月22日 20時

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