初恋なんて大嫌い【Stray Kids】

03 ページ3

.




私がうじうじしていれば気づかないうちに私の目の前にピリちゃんがいて、びっくりしたと思ったらそのままピリちゃんの小さな手で頬をむぎゅっと摘まれてしまって。



「ぴりちゃ、」

「も〜そんな顔してたらリノヒョンにまたからかわれるよ？せめて笑顔でいないと！笑顔のAヌナが一番かわいいよ」

「またそんなこと、いって、」

「ねえ！僕が嘘ついたことある！？Aヌナはすっごいかわいいの！」



思わずのけ反ってしまうくらいの勢いで言われて「分かったから！」と言えば満足そうに笑うから何だか気恥づかしくなって慌てて距離をとる。

そんな私たちを見てチャンビンとスンミニが「まーたいちゃいちゃしてるぞ〜」とか今更「へえ〜ヌナとリクスって仲良いんだね」とか言ってくるから適当にあしらえばビニが酷い！なんてかわいこぶってくるので「はいはいかわいいね〜」なんてまた適当に返した



「これあと本にするだけだから手伝って〜」

「もうできたの？ここからはビニが完璧にやりますよ〜！」

「ヒョンは不器用だから失敗するんじゃない？」

「ヤー！！スンミナ！！」



またいつものが始まったと思いながら紙を重ねてホチキスで止めて行く。

何かとからかってくる2人だけどビニはピリちゃんと恋愛相談に乗ってもらってるし、スンミニは一応歳上なんだけどな、と思うこともあるけど何だか慕ってくれてるみたいなので仕方ないなあなんて思ってしまう。

私もなんだかんだ言って2人が好きなのだ。



「わー！！チャニヒョンがジュース奢ってくれるって！！」

「あ、ちょっとヒョンジナ！」



突然ジニが大声を上げたと思ったら。

みんな"奢ってくれる"なんて言葉に嬉しそうにサイダーとかオレンジジュースとかぶどうジュースだとか声を上げていて最後は私だけになってしまった。



「Aー、何にするの？」

「えっ……」



私はー、なんて言おうとした時リノに聞かれるなんて思ってなくてちょっと詰まってしまったけどオレンジジュースとだけ言えばリノが買う訳でもないのに「んーわかった」なんて言ってくるから変に心臓がバクバクしてしまう。

そのまま「俺が払うんだけど……」なんて呆れてるチャニオッパにいつもみたいにちょっとからかいながら話す2人のやり取りをみて、少しの間ぼうっとしてしまっていた。

こんな、少し話しかけられただけでびっくりするなんてバカみたい

04→←02

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す