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尾形さん達も ひどく動揺していた

意識がなかった私が目覚めて ほっとしたのもつかの間
ずっと 混乱したように 私はある幽霊の名だけを呼び続ける

「A、おちつけ! まず 病院へ行こう。 ちゃんと検査をして」

「っ! 離してください! 百が戻ってくるまで どこにも行きません!!」

「!」

思わず彼の手を 払いのけた
彼の瞳が 悲し気にゆがむ

  −−−あ

その瞳には 覚えがあった

  拒否されたときの・・・ 百と同じ瞳

「す・・・ みません」

私は なんとか言葉を絞りだす
涙があふれる

  私は・・・ 何をしているんだろう?

尾形さん達にまで迷惑をかけて・・・ 心配してくれているのに 私は・・・


「ごめ・・・なさい・・・ でも・・ 百が・・ いなくて」

混乱する
らしくないのも わかってる

「百・・・」

 ずっと ずっと傍にいた

 心のどこかで 何を言っても 百は私の前から消えたりしないと勝手に思って・・・

片手で顔を覆う

 どうしたらいいのか わからない

こんなに不安に思うのは いつぶりだろう・・・?


百は・・・ どうなったの?

苦しんで・・・ ない?


「・・・百」

その場に座り込む

最後の百の姿を思い出す

百が私の体を押した

だから私は”帰ってこれた”

でも・・・

「百も・・・ 一緒じゃないとか・・・」


 こんな状況・・・ 考えてなかった

 百が本当に 自分から離れるとか・・・


 ずっとずっと一緒にいた

 赤ちゃんの頃からずっと・・・


 うっとおしいと思ったこともある

 怖いと思ったことだって


 だけど 最後にはいつも・・・ ”一緒にいた”



こんな別れ方になるとか 考えたことなんてなかった

 だって彼は幽霊じゃないか

 これ以上死ぬわけがない

 成仏だってしそうにないと思っていたのに・・・



別れは あっけなく訪れる

私から両親が離れたように 百も・・・


  ”あっけなく 私から 離れていく”


「・・・ごめん・・ 百」


あの器を 何も言わずに飲めばよかったの?


 ”私も・・・ 死んでいれば・・・”



しばらくして 白石さんが私の肩に 優しく手をおいてくれる
私は彼らに 再び謝った

「ごめんなさい 白石さん、尾形さん」

「ううん、いいんだよ。 霊の尾形ちゃんだって大丈夫♪ だって あの尾形ちゃんだもん♪」

そう言って元気づけてくれる

私はなんとか顔をあげて 笑おうとした

尾形さんの姿が目に入る

37 夢の中(百視点)→←35 目覚め



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設定タグ:ゴールデンカムイ , 尾形百之助 , 金カム   
作品ジャンル:アニメ
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ソラノ(プロフ) - 有難うございます。アニメ3期もはじまったのでこっちも書かねばと思いながら停滞していてすいません。 (2020年10月16日 22時) (レス) id: 2385099feb (このIDを非表示/違反報告)
イロナシ - もう、ソラノ様が書くお話めっちゃ好きです!更新を楽しみにお待ちします! (2020年10月11日 19時) (レス) id: c1ed0d601a (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - 走り書きなのでまた色々書き直すかもですが、とりあえず「日常1」終わりで、「日常2」をまた書こうと思っています。それこそ本当に小ネタというか勉強見てもらうとか、学校とか修学旅行とか、なんか思いつくままに!!! (2020年2月22日 1時) (レス) id: 6946561589 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - もうすぐで50!とりあえずこの話はこれで終わって本当に日常編を書こうと思う。尾形さんに勉強見てもらうとか、修学旅行とか買い物とか色々書きたい (2020年2月2日 11時) (レス) id: 6946561589 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - うん、しばらく書いていなかった分 一気にUPしました。でも本当に一気に書いたので所々また書き直すかも・・・です。すいません (2020年1月18日 16時) (レス) id: ae51a2c0d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ソラノ | 作成日時:2019年11月4日 21時

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