三十七 ページ37
女は逃げたと思っていた
だが 逃げたはずの女が今 俺を背に 追いかけてくる男に銃を向けている
「それ以上近づいたら 撃ちます！！」
女が銃を構えていることに気づいた男は 動きを止めた
その距離 たった数メートル
素人でも当たるだろう
だが・・・
「・・・っ」
女の腕は震えている
人など今まで撃ったこともないのだろう
銃さえ撃つことも初めてなのかもしれない
だが・・・ その瞳は強く、俺は目が離せないほどに 女のその姿に惹かれていた
「撃てるのか 嬢ちゃん？ 手が震えてるぜ」
男は面白そうに女をからかう。
だが女もひるまなかった
「足くらいなら この距離でも撃てますよ？ いいんですか？
私は見た通り素人です
どこに当たるかなんて わかりませんよ？」
女は震えながらも笑った。 精一杯の強がりなのだろう
そして俺に 男に聞こえないような小声でささやく
「大丈夫。 もし何かあったら 一人でもこの先の村まで走るんだよ？」
その声は俺を安心させるかのように優しかった
・・・どうやらこの女は心底 お人よしらしい
内心で呆れるとともに 俺は・・・
「・・・・」
男はしばらく俺たちを見ていた
男は「っち」と舌打ちをして 俺たちに背を向けて 去っていく
女はじっと男が見えなくなるまでそれを見据え、しばらくして やっと息をついた
肩の力が抜け、その場にしゃがみこむ
「よかった・・・ どっか行ってくれて」
「阿呆か お前」
思わず女に声をかけた。 呆れたように女を見る
女の足はまだ震えているようだ
よほど怖かったのだろう
「もう〜、 助けてあげたのに 可愛げがないなぁ 君は」
そう言って 女が俺に振り返り笑った
「助けてくれとは頼んでない」
俺の言葉に女が抱き着いてきた
「なんだ？」と再び面食らう
暖かい・・・ やはりこの女に抱き着かれると どこか・・・
「はなせ・・・」
言葉とは裏腹に 俺は動けない
守られたのは 初めてだった
このモヤモヤした感情はなんなのだろう・・・
ただ・・・ 少し胸が苦しい
きっと人間なんかに守られたことが 俺のプライドに触ったのだ
そうだ・・・ そうに違いない
女の体はまだ震えていた
「大丈夫。大丈夫だよ。 このあたりはまだ ああいう大人もいるから
気を付けないとダメだよ？」
そう言って震えながらも ぎゅっと俺を安心させるように 抱きしめ続ける
その胸はやはり小さいが・・・ 暖かい
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ソラノ(プロフ) - すいません。仕事で 指 突き指して打つの遅いです。更新ちょっとお待ちを（汗） (2019年2月16日 3時) (
レス) id: 340c9221f0 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - 3章がだいたい話決まっていたのですが、ちょっと後半かえようかどうしようか迷い中。一回ヒロインと喧嘩別れして 嫉妬やら何やらで狂いまくる尾形も描きたい（おちつけ） (2019年2月1日 2時) (レス) id: 340c9221f0 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - 明日名古屋に行くので更新遅れます。とりあえずツイッターに今尾リパばかり書いてます。そっとは落ち着いたのでとりあえず、後1つネタＵＰしたら こっちに戻る予定です (2019年1月18日 10時) (レス) id: 340c9221f0 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - ツイッターを最近「フォロー」してくれた人のみ見れる形にしようか考え中。そしたらエロ絵も普通にＵＰできると思い始めた（おい）どうしようか色々考える・・・う〜ん？？？ (2019年1月17日 2時) (レス) id: cf0cfa8257 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - 三章も書き始め、100Ｐ超えますね。あときわどいなぁ・・・と思う所？（Ｒ18）は別Ｐで作る形にしようと思います。Ｒ18ってどのあたりまでならＯＫなのか手探りですが、Ｒ18つけていないのはごまかしごまかし書いていく予定です (2019年1月16日 18時) (レス) id: cf0cfa8257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラノ | 作成日時：2018年12月9日 23時
