仲良しJUMP 17

ゆーり ページ27

侑李side


朝起きた時から絶不調で、休もうかなと思ったけど、雑誌の撮影だけだし指示された通りにすればいいだけ。

仕事に穴も開けたくないし、これの調整でまた仕事に来るのも嫌だし、そう思ってちょっとだけ無理して仕事に来た。

楽屋で誰かに伝えようかなと思ったけど、個人の撮影だし、この次の撮影全員の時に伝えたらいいかななんて思って、楽屋の隅で動画を見てるふりして胸のムカつきと戦ってた。



カメラさん「知念さん、もう少し笑顔自然にできますか？ちょっと目に力入れてぇ〜はーいこっちこっち」



何十年この仕事してるのか、なんでこのことを考えてなかったのか。

照明が暑くて急に気分が悪くなる。



侑「ちょっと…あの…気分よくなくて…水分取ってもいいですか？」

カメラさん「それは大変！あと3枚だけ撮らせてもらってもいい？そのあとたっぷり楽屋で休んでください！」

侑「…あ、はい」



3枚だけなら頑張れる。

そう思ってポーズを決めて撮り終わった声がかかったと同時にえづいちゃって。

やばいと思って手を口に当ててみたけどそんなことも全く意味がなくて、胃から逆流してくるものを感じる。

セットだけは…セットだけは汚したくない。その一心で慌てて立ち上がって、セットの外に出た頃には手の隙間からぼたぼたと垂れる吐瀉物。

そこから刺激される匂い。

最悪だ…僕、戻しちゃったんだ…トイレでもない場所で。

スタッフさんたちが慌ててる様子が聞こえてくる。

どうしよう…どうしたらいいんだろう…。



涼「知念。ゆっくり呼吸して。吐き気は落ち着いた？手洗いに行こう？セットも衣装も汚れてないよ。床は拭けばいいから、な？」



なぜか涼介が来て、トイレまで連れて行ってくれた。

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