【ミカグラ】爽快系ドローイング【夢小説】 (ページ46)

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第四十三話…彼女の名はページ46

「ふぅん……大体わかった……。
さて、Aちゃんにもあいつのこと、説明しないとね」

そういってこちらに向き、ふわりとほほ笑む彼女は、漫画やドラマで見る研究者のような眼をしていた。

「あいつ──藤咲子は、『乙女潰し』って言われてる。
意味は…う～んっと、経歴話した方が早いよね」

そういって机の中を漁る愛華ちゃん。再び私の前に座った愛華ちゃんの手には、大きめのコピー用紙があった。

「これ。あいつの今までの経歴。」

渡された紙にざっと目を通すと、そこには学校名やらなにやらがたくさん書かれている。

『えっと……これって……』
「あいつはね、小学校のころから『恋する乙女』を潰すプロなんだ。
──話長くなるけど良い？」

こくりとうなずくと、ゆっくりと話してくれた。

「藤咲子──自分が好きになった相手なら、恋人がいようと片思いの相手がいようとその相手となる『恋する乙女』を追いやって恋愛をする女。
彼女は良いとこの一人娘でね、自ら手を下さなくともおつきの男が潰すこともあった。
例としては私が通っていた小学校で。あいつと私は腐れ縁なんだよねぇ。で、小6の時に私の親友が好きになった声をあいつも好きになったんだよ。あいつがしたことは酷かった。その相手の男を自分のものにするため、少量のクスリやら親友を裏から虐めたりとか、とにかく犯罪レベルのことをやってのけるんだよ。しかも良いとこの子だからうまく隠ぺいされる。」

一気に聞かされた話は非現実的すぎたけど、愛華ちゃんはいたって真面目に言う。

「でね、私はヤバいと思って父に相談したんだ。父は探偵的なものをやりながら生活してるサラリーマンでね、うってつけだと思った。
そこで父に言われたのは一言、『こちらもこちらで頑張るから、そっちは証拠を集めて行ってくれ』。我ながらいい父だと思う。
そこで私たちは同級生たちと一緒に、証拠集めをしたんだ。でもそこであいつが動いた。転校した──」

そこからは各学校を転々としながら、男をモノにしては女をつぶす、漫画の悪者のようなことをしているらしい。