ファーストキス【センラ】

なな ページ8

『やめっ……！』
「……んぅ、」


昨日とはまるで違う、激しいキス。
口を開けたままだったのが失敗だった。ぬるりと何かが入り込んできて、ぢゅうっ、と私の舌を絡め取る。



微睡む視界の中、浮かんでくる浦田先輩の顔。
彼の笑顔を思い出して、好きでもない男にキスされてる自分が悲しくなって。

つうっと涙が伝う。でも、きっとそれも間違いだったんだ。



「…ふふ、泣いてんの？そそるねぇ」
『やめてっ………うらた、せんぱいっ……』


思わず声にしてしまった、浦田先輩の名前。
ピキッと音を立てて折原くんが固まる。やばい、と思ったも束の間、唇が甘噛みされた。



『いっ…』
「この状況で他の男の名前呼ぶとかアホなん？」


心底呆れたと言いたげな顔。
ゆっくりと近づいてきたと思えば、噛まれたところを優しく舐められた。ちくっとした痛みが一瞬走る。



「あーあ、血出ちゃった……そろそろ行こか。遅れるわ」
『う、ん』


無言で差し出された手。
無視したかった、けれど何かされてしまうのが怖くて。結局流されて握ってしまった。


折原くんの手は大きくて温かくて、でも決して離してくれないほどの力が込もっていた。




*
過去最高2位、お気に入り600人、そして殿堂入り…！本当にありがとうございます！！
ここまで伸びたの初めてなのですごく嬉しいです…(涙)これからどうぞもよろしくお願いします( ..)"

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