すいーと・すいーと・まいほーむ【あほの坂田】

じゅうに ページ13

ドアの向こうに居たのは、

真っ赤な顔で眠りこけている坂田先輩を背負った、

・

…浦田さんだった。

『えっ…と、その、』

「………は、ちょっと待って、」

やばいやばいやばいやばい。

隠していた関係がバレてしまうっ…！そしてこのままだと何か刺されそうな空気を感じる…！！

『あの、すいませんでした！ではっ！！』

「おい、ちょ、」

浦田さんから坂田先輩を引き剥がして、急いでバタンと…

「うおっ！？と…ったく、大丈夫？」

・

…こけました。

…いや恥ずかしい。このまま家に入るつもりだったのに、というかそもそも坂田先輩を運べるような力ないのに…あああ自己嫌悪。

「お姉さんじゃ無理でしょ。運ぶよ」

『い、いえそれは…』

「任せなって。彼女怪我させたら坂田怒るだろ」

『…えっ！？』

嘘でしょまさか知ってたの！？え！？

1人で慌てふためく私を見、浦田さんはキョトンと首を傾げた。

「あれ？彼女じゃなかったの？」

『え、あっ…そうです、けど…///』

「…坂田に彼女かぁ…何で言ってくれなかったんだろ」

(あ…知らなかったんだ)

それでも、坂田の家に女がいる＝彼女できた思考の浦田さん、ちょっと尊敬する。

不審者とか、坂田先輩が誘拐した(キャラ的にないけど)とかいう可能性は考えないんだ。さすが親友。

「それよりさ、名前何ていうの？」

『AAといいます、』

「ん、Aちゃんね。可愛い名前」

花のようにふわっと微笑む浦田さん。

坂田先輩とはまた違ったカッコよさがあって、思わずきゅんとしてしまった。

「じゃあAちゃん、坂田運ぶの手伝って。コイツまた重くなってる」

『多分プリンの食べ過ぎだと思います』

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