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「はあっ……」
涼介「え、どした?走ってきたの?」
足早に歩き続けたせいか
涼介のもとに着くころには
息が上がっていて
「…なんでも、ない」
涼介「いのちゃんは?」
「…小夜先輩が来てた」
涼介「ふーん。じゃ、行こ」
.
.
.
学校までの道を涼介と二人で歩くのは
久しぶり。
慧くんが高1で涼介と私が中3の間は二人だったけど、
周りにからかわれて嫌だっていって
学校の近くでは離れて歩いてたっけ。
涼介「なんで袋2個もってんの?」
涼介に突っ込まれて
やっと気がついた。
朝、慧くんに渡すつもりで作ったお弁当。
……渡せなかったよ。
「あー…うん、これね…」
いい言い訳が思いつかなくて口ごもる。
涼介「中身弁当?1個余ってんの?」
「え?あ、うん。余ってる」
涼介「俺にちょうだい?今日昼パン買おうと思ってたから」
はい、って手を差し伸べてくるその手に
お弁当の袋を載せる。
「…美味しくないかもしれないよ?」
涼介「え、手作り?」
「だから、美味しくないかも」
涼介「大丈夫。美味しくいただくわ」
慧くんのために作ったお弁当。
食べてほしい人には渡せなかったけど
涼介がなんとなく嬉しそうに受け取ってくれたから良かったのかな。
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nimo(プロフ) - 月夜見(つくよみ)さん» コメントありがとうございます!同じ人が大好きな仲間としてこれからも全力応援しましょう!更新頑張ります(・∀・)! (2021年9月16日 9時) (レス) id: 36636983cf (このIDを非表示/違反報告)
月夜見(つくよみ) - 初めまして!私も伊野ちゃんが好きな人間です!主さんの書かれていらっしゃるこの小説、迚大好きです!これからも更新頑張って下さい!!応援してます! (2021年9月14日 16時) (レス) id: d122e2db49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nimo | 作成日時:2021年8月13日 20時